勝利を手に入れるのじゃなく、敗北を手放す。【天月】

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｢どうしよう……｣




コツコツコツとシャーペンで机を叩きながら、額に手を当てた



天月を助けるための問題は沢山ある
大きな問題はお金だよね……



ようは、大金をポンと用意する方法を見つけなくちゃいけない






最終的には私か、それか天月本人が払うとしても取り敢えずすぐに工面しなきゃいけない

やっぱりお母さんとお父さんに頼むのが1番いいんだけど





｢はぁぁぁ…怖いぃ……｣





もうどんな流れになるか私は知ってるんだ
お金を貸してほしいと言った時の両親の反応を



決していい反応じゃないって分かってて言う勇気を、確定で悪い返事が返ってくるって分かってて言う勇気を…、あいにくだが私は持ってない





でも他に誰がいるってのよ…



スマホで検索しても、何故か分からないけど精神の心配とか保健所を勧められる






明日は天月がまふまふという歌い手友達に会う日だ
何をしに天月が行ったのか知らないけど……



こんな時に天月は友達と何をしてるんだか
その友達に相談しているならいいんだけど……


友達……、友達ね…

あまつ…きの……友達……


友達？





私はハッとしてブラウザーバックを押して、改めて検索した
『YouTuber 収入』

まふまふという人は確かかなり有名で、それ故に沢山お金を持ってるはずだ


そんでもって、天月の友達。ライバルって前見たサイトには書いてあったけど、似たようなものでしょ





んじゃ、状況を話せば手伝ってくれるんじゃない？
少しだけでもいいし、もしそれで足りなくても天月のお兄ちゃんとか、私も全力で私的財産出すし



そうだよ。

天月は自分から人に相談なんか弱いとこなんか見せないタイプだ
事が重大であればあるほど

だから高確率でその天月の友達に今回のことを相談してない可能性がある




ノートに大きくまふまふさん。っと書いて何度も丸を付けた



お金が返せれば、あの人達ももう天月に用はないはず






初めて見いだせた希望に私は自然と口角が上がった




｢助けるからね、天月！｣

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