過 保 護 の パパ【まふまふ】[完結]

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｢お腹空いた……｣







ものすごい空腹に苛まれて目が覚める





そういえば、昨日夕飯食べないなんてバカなこと言ったな……




部屋から出るとパパがノートパソコンをカタカタさせていた



気づかれないように後ろに回って画面を覗こうとしたら、ﾊﾞｼﾝっと勢いよくパソコンが閉じられる







｢び、びっくりした｣







パパはイヤホンを外しながらとても胡散臭い笑顔でおはようと言ってきた





｢おはよう｣



｢お腹すいたでしょ｣






もちろんお腹は空いている
でも昨日はパパと喧嘩をして食べないっていう選択肢を取ったから、ちょっと頷きずらい



しかもパパは何事もないようにいつも通りだし

それも気に食わない





｢顔洗って来なよ。ご飯作るから｣




そう言ってキッチンに向かうパパに反抗期の私は何も言えない



仕方なく洗面台に向かって顔を洗う
髪の毛も適当に結んであとは制服に着替えるだけだ




｢早起きは三文の徳ってね｣




鏡の前でにーっと笑ってからリビングに戻った





｢今日早めに出るね｣




｢分かった。何時に学校終わるの？｣



｢いつも通りだよ。えーっと……15時過ぎ｣





パパは何も返して来なかったけど、私が席につくのと同時にｺﾄﾘっと朝ごはんを置いてくれた






｢いただきます｣







パパはすごく器用だ


器用と言うか………細かいというか




B型の私からしたら考えられないようなことまで、ちまちまと処理してる




故にご飯は美味しい



真っ白なホクホクご飯に、半熟具合が素敵な目玉焼き
少し厚めのベーコンにサラダが別添えで置いてある




こんな健康的朝ごはんは、お母さんでもなかなか作ってくれない






でもパパは、夜遅く帰ったり朝帰りのこともあるのに毎朝毎朝このクオリティで出してくれる




パパのハイスペックは並じゃない






｢美味しぃー｣



｢それは良かった｣





パパは仕事が忙しいのか、私の前に座ってパソコンを動かしているけど、私の話は聞いてくれているらしい



ほんと律儀な人だ




あとは乙女心を理解してくれたら完璧なのに………

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