過 保 護 の パパ【まふまふ】[完結]

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数年前



それが私の転機だった。






｢───それで……こちらの資料ですが｣




真っ白な部屋
無駄に広い空間


そこに居あわせる真っ黒な服をまとった2人の男性と真っ白い服を着た私




目の前のテーブルには読むのがすごく面倒くさそうな小さな文字で埋め尽くされた紙が置かれている




｢こちらで調べしましたが、近い身内の方で引き取ってくれる方が1人しかあたりませんでした。｣




不幸なのはお前だけじゃない。
ガキのお前のためにこっちはこんだけ時間を割いてんだぞ。


そう言わんばかりの会話に飽き飽きして、モノも申す気にならない




｢何から何までありがとうございます。｣



余韻もなく、では。と席を立ったスーツの男2人組は警察官だ

私はどうやら事故にあったらしい





ちょっとした記憶障害で事故の日と数日の記憶がすっかりない




あの人たちの話によると家族旅行に行く途中の新幹線が脱線事故を起こしたらしい
不慮な事故だ



見舞金も沢山貰ったし、なんたって両親を亡くした私にはその保険金が山のように身に降り注いだ





お金は沢山舞い込んでくるのに、誰も見舞いには来てくれない


来るのは保健所の人と警察の人




中学生のこんなガキに真面目になって話してくるのがなんだか笑える




｢相川真冬…。｣




それが私を引き取る人の名前だった。

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