婚約者を幸せにしたい。【まふまふ】

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｢姫、お失礼ながら発言をお許し願えますか？｣





急に横から話しかけられて、長い髪を揺らしながらそちらに視線を動かすとキチリセットされた髪型の女性が私を真っ直ぐ見ていた


とても身長が高くてすらっとしている
銀とも灰色とも取れる色素の薄い髪色に似つかわしくない、怪訝そうな顔であった





｢えぇ、どうぞ｣


｢ありがとうございます。

失礼ながら、私共は姫の事をあまり存じておりません。
故に不躾にも不審がっている者や不安に思う者もおります。
もし食事の場所で悩まれのようでしたら、私共と共にしては頂けないでしょうか｣



助言だった。

なるほど……確かに私もみんなのことを知りたい

それに元々大食堂で食べたかったので、みんなが一緒に食べていいと言ってくれるなら私は心置きなく飛び込む




｢そうですね……そうしましょう。ミラ。｣

｢……かしこまりました。そのように｣






ミラが明らかに女性のことを睨んでいるのがわかった

なんでそんな険悪なのか……昔にいざこざでもあったのだろうか
それともこんなに身なりをきっちりしてる人でも問題児だったりするんだろうか……？



少し心配になったけれど、直ぐにミラとアイラは寮に向かって先に歩いていってしまった






｢ありがとうございます、姫｣


｢いえ、なにか気づき事があったら遠慮なく言ってくださいませ｣


｢姫がそう言うなら、この私め微力ながらお力添えをさせていただきます｣





笑みももらさない、なんというかできる女って感じだ。感情どこ？と思わず硬い表情を舐め回したくなったけど、すんでんのところでやめて歩きを再開させた


ざ、貴族って人だな

無表情で何考えているのか分からない感じ。先生はこういうのを目指せって言ってるんだろうなぁ




次に横を向いた時には既にいなくって、きっと私の後ろに戻ったのだろう






｢点数稼ぎお疲れ様ですね｣




そんな誰かの声が後ろから聞こえた気がした

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