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次に目が覚めた時には朝だった
ミラに声をかけられる前に目が覚めてしまったけど、勝手に起きるわけにはいかないので妙に覚めてしまった目をまた再び閉じた
まふまふ様に失望されていなければいいけど
もしされていたら、私はあと4年で振り向かせることが出来るだろうか
ゼロどころかマイナスになったこの関係値を修復して、恋に微塵の欠片も興味がなさそうなあの人を自分に惚れさせるなんて、土台無理な話のように思える
「A様」
「おはよう、ミラ。起きてるよ」
「おはようございます」
まだ朝も早いだろうに、相変わらず完璧な格好でミラは現れた
朝のゆったりさを全く感じさせないミラに思わず苦笑する
「安心致しました、顔色が戻られたようで」
「すっかり休めたよ。
今後のことを思うと杞憂だけど」
「我々ができる限りの根回しをさせて頂きました。
A様は病弱とのことを予め流しておきましたので、私たちが振れ回る事もなく皆様も理解してらっしゃいました」
ミラが朝のお茶を差し出したので、私も足を降ろしてからそれを受け取る
やっぱりなんのお茶かまだ分からないけど
「命拾い…だね」
「こちらに来てからお忙しかったですから、疲労が溜まってしまったのでしょう
ですが、今日も色々とやらねばならぬ事があるのでよろしくお願いします」
「昨日のお茶会が楽しかったもの。大丈夫よ」
靴を履かせ終えたミラが私からカップを受け取るとそのまま下がって、入れ違いにアイラが私の手を取ってベットから下ろしてくれる
「気分が晴れやかになるよう桃色の式ものにしました」
ふんわりと笑いながらアイラは私の服の準備をし始める
肌心地のいいネグリジェを脱いで、下着を着替えてその薄ピンクのドレスに袖を通した
全体的にふんわりとした生地が使われていてとても可愛らしい感じだ
これは確かに気分は下がらない
「姫様、お手を」
最後にいつもの総レースの手袋をつければ完璧だ
「今日は学生証を貰うんですっけ」
「はい。全生徒が集まってバッチが配られます。
一番高位にある姫様が代表となって受け取る手筈です。」
また人前に立たなくてはならないとは……
人の上に立つっていうのは思っていたよりも大変らしい
どうせ喋るわけではないので、唯一自信があるお辞儀を披露してバッチを持って戻ろう
「A様。朝食の準備が整いました」
「今行きます」
いつもより重たいまぶたを感じて、まだ学園生活は始まってすらいない事に驚きを隠せなかった
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パール(プロフ) - イムム・ルリクリルさん» あ、ありがとうございます。長いですがお付き合いいただけると私が嬉しいです笑。ルビは完全にやらかしです。教えていただきありがとうございます(泣) (2021年4月2日 16時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
イムム・ルリクリル - おすすめに出てきたので、読んでみたら、神作品でした!(真顔)まだ、読み終わってないですが、すごく面白いです!あ、えっとそれでページ15の上から21行目(?)のRubyって、ちゃんとrubyなっていないのは僕のところだけでしょうか…?間違いだったらすみません (2021年3月31日 18時) (レス) id: 22463df6e5 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 乃々夏さん» はじめまして、おはようございます。しょ、書籍化!?そんなですか!?ありがとうございます笑 歌い手様たちの特徴を捕えるのに必死です笑 (2021年1月8日 9時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - はじめまして!!!!なんか好きです←は? 書籍化してほしいレベルです!!!!はぁ…志麻さんのちゃんづけヤバい////(志麻リス) (2021年1月7日 22時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 鼎さん» 自分の性癖をぶち込んでいこうと思います笑 (2020年12月24日 7時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
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