28 ページ28
.
一応公式の場だから、またあの重たいマントを身につけて部屋を出た
これから授業に出る時は、学院証と呼ばれる黒色にちなんだバッチをつけるか、このマントをつけなければならないそうだ
バッチをつけたいところだけど、それを貰えるのは明日の入園式の時だ
それまではこのマント必着
肩が砕けそうである
階段を踏み外さないように降りていると、1回の広間の真ん中で白いマントを付けた男の人が立っていた
髪の毛も服も真っ白で、物語に出てくる妖精のようだった
｢お久しぶりです、Aさん｣
階段を降りきると爽やかな声がホールに響いた
黒の国の生徒たちも何事かと立ち止まってこちらを見ている
背も高いし、人目を引く顔立ちをしているからものすんごく目立っている。
そもそも黒のマントをつけている集団に対し、白のマントをつけた集団がいるのだ。例えまふまふ様でなくても見てしまうだろう
微妙な顔を押し隠してひきつる笑顔を貼り付けると、私もこんにちは。と挨拶を返した
｢送った服、着てくれたんですね｣
｢私の使いがとても絶賛していましたよ。素敵な装いで私の髪が映えると｣
｢それは良かったです｣
よく見るとアイラが言っていた通り、まふまふ様の着ているものにも私のものに似通っている刺繍が入っているようだ
ブルーのラインや金色のサッシュの柄が同じである
でもアイラに事前に言ってもらってなければ気づけないぐらいのものだった
｢まふまふ様は真っ白ですね。どこかの妖精が私を待って下さってるのかと、驚いたのですよ｣
｢男の僕を妖精に例えるとは、珍しいですね｣
｢あぁ……えぇー、そうですね｣
さっそくやらかしてしまっただろうか……
でもわりかし素直な感想だったんだけど
だってまふまふ様って結構中性的な顔というか、綺麗な顔立ちだから
｢Aさんに会うのが待ち遠しくて顔合わせまで待てなくて迎えに来たのです。
僕と一緒に来てくださいますか？｣
｢ええ喜んで｣
差し出される手に私もそっと自分のものを重ねる
エスコートの練習なんかまだしていないのでとても緊張する
まふまふ様のきめ細かな白い肌に触れてみると、もうサラサラすぎて今すぐ頬ずりしたいというか
その石けん教えてくださいって感じだ
私の手は平民の名残で傷がわりかしついているので、レースの綺麗な手袋をさせられているけど
それでもサラサラ感が伝わる
｢では行きましょう｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 899人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パール(プロフ) - イムム・ルリクリルさん» あ、ありがとうございます。長いですがお付き合いいただけると私が嬉しいです笑。ルビは完全にやらかしです。教えていただきありがとうございます(泣) (2021年4月2日 16時) (
レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
イムム・ルリクリル - おすすめに出てきたので、読んでみたら、神作品でした！(真顔)まだ、読み終わってないですが、すごく面白いです！あ、えっとそれでページ15の上から21行目(？)のRubyって、ちゃんとrubyなっていないのは僕のところだけでしょうか…？間違いだったらすみません (2021年3月31日 18時) (レス) id: 22463df6e5 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 乃々夏さん» はじめまして、おはようございます。しょ、書籍化！？そんなですか！？ありがとうございます笑 歌い手様たちの特徴を捕えるのに必死です笑 (2021年1月8日 9時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - はじめまして！！！！なんか好きです←は？ 書籍化してほしいレベルです！！！！はぁ…志麻さんのちゃんづけヤバい////(志麻リス) (2021年1月7日 22時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 鼎さん» 自分の性癖をぶち込んでいこうと思います笑 (2020年12月24日 7時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
