婚約者を幸せにしたい。【まふまふ】

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東屋はあまり広々した空間ではない

窓やらドアがなくて、屋根しかないので開放的といえば開放的だけど……




黙りは辛いです。


ど、どうしたらいいのか分からない。


なにか話さなくちゃならないのだけど、基本男性が敬われるこの貴族社会では、女性から話題を振るのはあまり宜しくないらしい。というかはしたないとまで言われた


なので先生たちも男性に任せればいいのよ、おほほほほーって言っていた……の…に




嘘つきっ！


この沈黙をどうしてくれよう！






｢僕はあなたと婚約しようと思います｣




……なに。え？


い、いきなり!?まだ挨拶しかしてないよ!?
そんな簡単に婚約の約束をしてもいいの！？



私には願ったりの話なので、もちろんいいのだが





｢もちろん、それは嬉しい話です。｣


｢失礼ながらAさんは病弱で、今まで社交に出られなかったのだとか｣



なんとか受け入れる旨を伝えたが、まふまふ様は結論から話して、そっから中身に入るタイプのようだ



｢え、ええ。最近ようやく外に出られるようになったのですよ｣





もちろん設定である
いきなりポンッといい年頃の娘が湧いて出てきたら大変である



もう既に亡くなっている王妃様の病弱を引き継いで、体が弱い設定だ。だから今まで社交界にも出たことないし、私を知る人物はほとんど居ないんです。

という、シナリオを頭の中で今一度確認する





｢僕もあまり好きじゃなくて……、社交。女性はああいう社交会が好きでしょ？
どうも肌に合わなくて、Aさんみたいな静かな人を探してたんです｣




｢そうですか……｣




静かな人だって……
大人しくしておこ。




｢それに、来年から学園に行かなくてはならない。
その時に婚約者がいないと色々大変だから｣


｢……そんなことで一生のつがいを決めてしまうのですか｣



いやだって……もしも───




｢私が悪い人だったらどうなさるんです？｣

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