私に彼を会わせて下さい【そらる】

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これからどうしよう。
予備のビニール傘渡して帰ってもらう？
それとも止むまで？



けど台風は夕方になるまで収まらないって昨日のニュースでやっていた

でももしかしたら今日になって進路変更しているかもしれない



そんな淡い期待を込めてテレビを付けてチャンネルを回す

どこもかしくも台風情報が乗せられていて、日本列島とチカチカ光る注意報が目立つ


どうやらこの辺は外出注意らしい
ダメとは書いてないけれど、用事がなければ避けるようにという程度


ベランダへのドアには吹き付けるように雨が当たっている

かなり激しいのはあきらかだった





はい、傘です！服も乾きました！お帰りください！

というのはどうも良心が痛む


かといってそらるさんは多忙だ
これから用事とかあったらとてつもない迷惑だ
それにファンと一緒に二人というのはそらるさんには怖いことなのではないだろうか


このご時世、すぐにネット炎上するから
ファンなんてましてや女性の部屋に上がり込んでいたなんてバレでもしたら


ｻｧｰと血が抜けるように寒くなる。

入ってくところ見られてないよねっ？！



慌ててスマホを開いてそらる と打つけど特にいつも通り穏やかで、心をなでおろした


いや、何も良くない。
これからどうすればいいのだ





｢あの、出ました｣


｢はっはい！｣




考えに熱中しすぎて周りの音が聞こえてなかったようだ
そらるさんは乾いた服を着ていて、髪の毛はまだしっとり濡れていた




｢あー。服、ありがとう。おかげて乾いてた｣


｢いえいえいえ！お気になさらないでください！私がしたくってやってるので！！｣




取り敢えずお茶でも出そうと座ってもらう
私はそそくさとキッチンからコップを取り出し麦茶を注ぐ

麦茶って喉に悪いとかないよね？
あ、それは烏龍茶か

普段考えもしないところに気を使い、氷は？とかストローいるのかな？とかお茶一つで私のHPはゼロである



｢麦茶、どうぞ｣


｢わざわざありがとう｣



私もちゃっかり向かいに座ってしまったが、この状況どうすればいいんだ


さっきからその場しのぎで頑張ってきたがそろそろ本気でこの状況を打開しなくては

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