私に彼を会わせて下さい【そらる】

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｢取り敢えず、座りますか？｣


｢あ、はい｣





ダイニングを勧めて席についてもらう
そらるさんの肩にはタオル

けれどもまだ服はびしょびしょで寒そうである


どうにか出来ないものか。





｢分かりました！シャワーを浴びてください！
その間に乾燥機回します！急ぎモードでやれば多分大丈夫ですので｣





そらるさんはポカーンとこちらを見ていた
視線が痛くて、私はまたまずいことを口走ったのではと数秒前の自分を振り返る

けれどいくら夏も近づいているとはいえど、服がびしょびしょの状態が健康にいいはずがないのだ

それを何とかするためにはこの方法ぐらいしか思いつかない




｢それは、さすがに｣


｢でもこのままだと風邪を引いてしまいます｣


｢あなたも濡れてますよね。俺はほっておいていいのでどうぞ入ってきてください｣


｢いえ！そらるさん、先にどうぞ
そらるさんが入ったら入りますので。本当にお構いなく｣


｢……ぃや。でも……｣





なかなか承諾してくれない……

確かに私だったら知らない人の家……それよりもっと酷い。
自分のファンの人の家である。


そんな人にお風呂入れ！あなたの入った後に私は入る！

なんて言われたら私は怖くて逃げ出す


でも、どうしても温まって欲しいのだ




｢わかりました。私が先に入るのでそしたら遠慮せずに使って下さい｣




これしかない
と、何がこれしかないだよと思いつつ脱衣所に逃げ込む


だって今にも倒れそうなんだもの


幸せではないですか？

そらるさんのリスナーならこんなシーン、夢と妄想で行き止まりである


っと。こんなにのんびりしている場合ではない

そらるさんが濡れた服を着てリビングで待っているのだから、早くはいって出なくてはならない

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