私に彼を会わせて下さい【そらる】

7 ページ40

.そらるside




｢あー終わった……｣


仕事の山を片付け終え、肩をパキパキと鳴らす

俺の目の前から山がなくなったと同時に、まふまふの目の前に山ができた


｢そらるさん、仕事が早いのはいいですけどいっぺんに渡すのやめてもらえませんか

僕寝れないじゃないですかァァー！！｣


非常にうるさい


けれど今回ばかりはこちらに非があるので小言の一つや二つ聞く


｢そーらーるーさーんー、ご飯ー｣


床に寝そべってバタバタと足をばたつかせている
ガキだ。全く持って子供だ


｢分かったから、あまり暴れんなって
下から苦情が来る｣


はーいなんて言いながら、死んだ魚のように動かなくなる

全く世話の焼けるやつだ


まふを飛び越え台所へと向かう

冷蔵庫を開けてもガラリとしていて、買い出しなんて最後に行ったのはいつだかも思い出せない


｢まふまふー、外に行こう｣


｢めんどくさーい｣


遠くの方から返事が返ってくるが、まぁーそうだろなっという答え


俺も外に出るのはいささか面倒だ


｢カップ麺になるけど｣


｢寿司食べたいなぁー｣


｢却下｣


｢もーカップ麺いいでーす｣


どこのシェルターだと思うほど、カップラーメンはあるので適当に上の方にあるやつを引っ張り出してお湯を沸かす


この分では夕飯は早く済みそうなので、久しぶりに配信でもしよう


3分という、アニメの間のCMと同じだけの時間が経ったあと、箸と出来上がったラーメンを持ってダイニングまで行く


今だにまふがさっきの状態から一寸とも変わらず、うつ伏せで両手両足を伸ばして倒れていた


｢おい、いい加減起きろって
邪魔だ｣


｢分かってますよ｣


全くそらるさんはうるさいんですから
なんて言いながらふかふかカーペットに座り直す


こいつ今日不機嫌すぎる


｢ほら、これ｣


｢ぼくそっちがいいです｣


っと指さすのは醤油ラーメン
対して、まふに差し出したのは塩ラーメン

俺は別にどちらにこだわりがある訳では無いので、はぁ…っとため息ひとつと交換してやった


｢いただきます｣

8→←6

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す