私に彼を会わせて下さい【そらる】

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ごちそうさまを言ったのはもう1時間も前のこと
今なにをやっているかと言われれば


｢つ、強すぎです｣


｢あ、ごめん｣


ゲームをしております。
私もお父さんがゲーム好きでそれとなく小さな頃からやっていたので、人並みよりは上手いつもりだったんだけれども、自惚れだったのか

そらるさんが異常なのか


でもこうして楽しく出来ているなら苦労して手にいれたswitchも価値が跳ね上がるというものだ


こちら、今やっているゲームは小学生から大人まで性別問わず大人気であるスプラトゥーンというもの

基本的に対人戦でプレイヤーキルが目的である。それ以外にも奥が深いのだけど

先程から一対一でやっているのだがボロボロである
瞬時に負ける




｢ねぇ｣


｢はい｣


｢名前教えて。ずっとキミで嫌じゃないならいいんだけど｣


｢あ、手林Aっていいます｣


｢おっけーAね｣




いきなりの呼び捨てに驚きつつも嬉しいから黙っておく

そういえばそらるさんはいつから敬語取れたんだろう

出会った時は敬語だったと思うんだけど、いつの間にかためになっている


全然いいのけど。そらるさんの方が歳上だし


｢なんかやっぱりお礼したいんだけど｣


｢そんなっ！私はこうして一緒に話してる事がもう夢みたいな祝福の時なので、さらにお礼なんていりません！｣


｢そう言わずに、俺ができることならなんでもいいよ｣




なんでもいいと言われても、本当に今この時がとてつもなく幸せで、人生最大の贈り物と言っても過言ではない


握手会当たったら死ねるとか言っていた私がこうして面と向き合って何時間も話しているなんて、死を通り越しているのだ


これ以上望んだら本当に神様に怒られそう


｢本当にこれ以上はないんです。今の時間が止まればなとかそんなことしか思い付きません｣


｢それは俺には出来ないわ
分かった。じゃあ、思いついた時のために取っておいて｣


｢は、はい！｣

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