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泥沼に入ったようにインターホンの音が重たい
あぁー違う。
俺の耳がおかしいのか
もしくは頭？
立つ気力なんかあるはずもない
机の上に転がる多くのワインボトルやらなんやらを一瞥してまた目を閉じる
ソファーは十分に大きいから問題なく寝れる
このまま息が止まればいいのに
暖房の音も外の音も誰かの声も
静かな部屋だ
｢なにやってんのヴィクトル。｣
はぁ⁉
勢いよく飛び起きたせいで、頭が痛くふらつきソファーに座り込む
｢ちょ、大丈夫⁉｣
｢ちょっと待って……｣
こちらに近寄ろうとするその人を手で制して、頭を抑えぐらつきを抑え込む
不意に隣がソファーが沈み込む
｢勝手に入ったのは不可抗力だからね｣
｢何しに来たの｣
───ユウリ
指の隙間からメガネのおどけた顔……あら、怒ってる
｢何しに来たのか分からないわけないでしょ。｣
分かってるよ。そんなこと
礼儀正しいユウリが勝手に入ってくるなんて、ありえない
もしそれが起こり得るとしたら、そうしないといけない明確な理由があるから
｢今ユウリと会いたくない｣
｢じゃあ、このまま待ってればヴィクトルから来てくれるの？
来てくれないでしょ。｣
本当に怒ってるな……
もうユウリの意思はしっかり決まってるみたいだ
この子は頑固だからもう意見を変えるのは至難の業だ
何度泣かされたことか
｢ヴィクトル。話をしに来た
話をしよう｣
.
手には水、お向かいにはユウリ
いまだに頭がグアグアとするけど、それで休ましてくださいなんて言える状況ではない
｢こんなにお酒飲んで、忘れようとでもしたの？｣
｢ダメだったよ。意識するほど鮮明になる
Aの銷魂した顔、キリキリした声
言葉の一つ一つ｣
耳を塞いだって
目を塞いだって
その場にいるかのような錯覚に陥る
｢指輪、返して｣
｢でも、ユウリ。これは……大事なものなんだ。俺たちの何かが具現化した、大事なものなんだ｣
｢Aと僕、ヴィクトルはどっちを大事にすべきなのっっ‼｣
大事にすべき
大事にしたい方ではなく。
いやでも。世間一般から見れば答えなんて明白だ
分かりきってる
愛は何よりも重たく、重たいからこそ大事にしなくてはいけないんだ
｢ユウリはオレからこの指輪をとってどう思うんだ ｣
｢どう思うかなんか関係ないよ‼そうしないといけないんだ‼ ｣
ボロボロと。
泣かせてばかりだ
オレがハッキリしないから
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パール(プロフ) - ゆきおんなかもさん» それは良かったです！！期待にご添え出来て良かったです。リクエストありがとうございました (2017年8月2日 17時) (
レス) id: 1ed92c0ef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきおんなかも - パールさん» ありがとうございます！！！想像以上の仕上がりで驚きました！さすがパールさんですね！！ (2017年8月2日 12時) (レス) id: a610bd63e5 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - ゆきおんなかもさん» 頑張ってみます！ご期待のものかはわかりませんがやってみますね！リクエストありがとうございます！ (2017年7月20日 10時) (レス) id: 1ed92c0ef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきおんなかも - ヴィクトルとのシリアス系の話が読みたいです！細かな感じがなくてすみません。出来ますか？ (2017年7月20日 10時) (レス) id: a610bd63e5 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 緑の愚者さん» いえいえ！ご期待にそぐえてよかったです (2017年7月18日 19時) (レス) id: 1ed92c0ef2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パール
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/moonloop1/
作成日時：2017年6月16日 0時
