ANTHOLOGY For JUMP

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中「山ちゃんが、」


「うん」


中「浮気、してた...っ」


「は、」


中「俺、も、無理だよちぃちゃん、」


「勘違いとかじゃないの？」


中「浮気相手から動画送られてき、た」


「どんな」


中「....っこれ。」



そう言って携帯を差し出され



中「フォルダに入ってる」



言われた通りフォルダをタップすると一番上に表示されている一つの動画


33分。


まさか、と思って再生を押すと


そのまさかで。


浮気相手であろう人とその下で鳴いている涼介がなんとも生々しく映し出されていて


まだ涼介が嫌がる素振りが少しでも見られたら。


けど、


そんなことは一切なくて。




...涼介



呆然と携帯を握りしめていた僕を後ろから抱きしめてきたゆーてぃ。


僕の首筋に顔を埋め


ただただ無言で、強く強く抱きしめられて



「ゆーてぃ、」


中「...ごめ、もう少しこのままいさせて」


「今夜だけなら、」


中「え？」


「今夜だけなら、好きにしてもいいよ、僕のこと。」




こんな安い誘いに彼は乗らないか




と思ったのも束の間、


ドサリとまたベッドに押し倒された僕。



中「...いーの？」


「いいよ、」


中「男は初めて？」



痛いところを突くなぁ


初めて、と言いたいところだけど



「...何回からあるから、そんなに心配しなくてもいいよ」



そう伝えた瞬間に顔を歪めたゆーてぃ


申し訳ないけど、


僕はメンバーのみんなが思っているほど綺麗な人間ではない。


いつも盛大に甘やかしてくれて


汚い大人の社会を見せないようにしてきてくれたけれど


僕はその汚い社会から逃れることは出来なかったみたい。


むしろどっぷり浸かっている



中「だれ、と？」


「ゆーてぃには関係ないでしょ」


中「俺は心配して...っ！」


「今この状況で僕の心配できる立場じゃないの分かってる？」


中「...っ」


「ほら、さっさと僕のこと使いなよ、」



涼介の代わりに痛めつけていいから、


嫉妬や怒りを全て僕にぶつけて。




「んぁ...っ」




...欲しいものを手に入れるためには


僕は僕を犠牲にし続ける。

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