◇ふたつの気配◇ ページ3
静かに雪が降ってきた。
存在を隠されているため、担当区域を持っていない私がいつも通り、ふらふらと町を警備していたときのこと。
ふと、闇夜からふたつの気配を感じ取った。
ひとつは鬼のもの。もうひとつは、感じたことのない、変な気配。
この気配の正体は気になるけど…。まずは鬼優先だよね。うん、人命最優先。
「きゃあぁぁぁぁぁぁｯｯ！！！」
『！！』
女性の叫び声が聞こえてきた。
まずい、急がないと！
声のした方へ、全速力で駆ける。
幸いにも、叫び声をあげた女性はここからすぐ近くの宿の側にいて。
鬼は…1体？違う、2体。もう1体は屋根の上に隠れてる。連携組む気か…。
「い、いやあｯｯ！！！」
『氷の呼吸 弍の型 流氷決裂』
女性の目の前にいた鬼の頸を斬り、流れるような動作で隠れていたもう1体の頸を斬る。
2体の鬼は、膝から崩れ落ち、雪のように静かに消えていった。
「あ、ありがとうございます…！ありがとうございます…！！」
『あ、いえ、別に。怪我はありませんか？』
「はい、大丈夫です…！」
『そうですか、それは良かった。
…ところでひとつ、お願いがあるのですが』
「…ｯはい、なんでしょう」
きょとん、と不思議そうに顔を上げる彼女にゆっくりと近付き、きゅっ、と手を握る。
「え、あの、え…///」
『今日あったことは、思い出しても、絶対に他の人に話さないでください』
「…わ、分かりました…！……あの、貴方のお名前は…？」
『名乗る程の者じゃありません。
それでは、約束ですよ』
彼女の額に手をやり、個性を少し発動させる。と、彼女は静かに目を閉じ、意識を失った。
これは、私の個性を駆使したもの。脳のほんの一部を凍らせて、記憶を眠らせる、なんか凄いやつ。
いやあ、使えるようになるまで2か月かかったよ。もうほんと大変だった…。
彼女を家まで送り届け、町を出る頃にはすっかり朝になっていた。
そういえば、あの気配ってなんだったんだろう…。
確か、この山の辺りからだった気が…。
何故かすごく嫌な予感がして、私は山へ足を踏み入れた。
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ぬん(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！もっとのびていい作品！！応援してます🔥 (1月23日 10時) (
レス) @page39 id: 69c6908195 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 煉獄さん生存希望します！これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年1月31日 17時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
はし(プロフ) - 氷翠さん» あっっっっっりがとうございます！これからも頑張って更新していきますね。よろしくお願いします！ (2019年10月15日 21時) (レス) id: bcfbdba365 (このIDを非表示/違反報告)
氷翠 - すっっっっごく面白いです！更新ファイト！ (2019年10月15日 15時) (レス) id: 3797fcfa5c (このIDを非表示/違反報告)
はし(プロフ) - ASUKAさん» あ、あああ、ありがとうございます！！これからもっと語彙力つけて面白いお話になるよう頑張りますので、何卒よろしくお願いします！ (2019年10月12日 21時) (レス) id: bcfbdba365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はし | 作成日時：2019年10月5日 22時
