昔のいじめっ子と付き合うとか冗談じゃない

最終章 ９話 ページ41

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『人生はいつも流動的で、何が起こるかわからない。だから面白いんだ』


小学６年生の時、本で読んだこの言葉。


ふざけてる、と思った。


そうやって楽観的に言えちゃうのは、その人の波には場合によっては楽しいことも起こるからでしょ、と。


私は、どの波も最悪だった。


両親の死。
いじめ。
一度だったけれど、虐待。
いじめ。
保護者の夜逃げ。
それから、過去に自分をいじめていた人との再開と同居。


波乱万丈だなんて言葉では片付けきれない私の人生。


人間皆平等、とか言っときながら、かたよりすぎだろと何度も神様を恨んでいた。


＿＿でも、今までの不幸は、この最大の幸せを手に入れるための代償だったのかもしれない。
または、この幸せが今までのご褒美。


そうやって考えられるようになったのは、愛すべき家族と、仲間たちのおかげなのだ。




「ママ？どうしたの？」


息子が私の手を引っ張る。

まだ5歳の小さな温かい手で。


美しい髪。白い肌。大きな目。優しい瞳。可愛い声。
そのすべてが愛おしい。

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