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91話 ページ1

「わーお、こんなとこで会うとかうけるな!元気にやってたかよ。お前いきなり転校するんだもん。あん時はビビったぜ」


この声を聞くだけで、昔浴びていた嗤い声が鮮明に耳に響いてくる。


(__どう、しよう……)


私は、強くなった。


弱虫な自分からは、卒業した。


__つもりだった。


(どうしよう。やっぱり、怖い)


「A?どうかした?この人……誰?」


精市の声を聞いて、ハッと我に返った。


「え?…あ、えっと……」


「どーもどーも。氷帝学園の小泉と申します。烏理さんとは小学校からの仲で」


Aが口ごもっていると、小泉が元気よく精市の前に躍り出た。


「つーか、え?待って。すごいイケメンさんじゃん。おいちょっと待てよー!転校したらさっさと彼氏作りかよー!やるじゃんか!いや……さすがと言うべきだった。お前、かつてあの跡部さんをも味方につけた女だもんな」


ドンッ


小泉がAの肩を叩いた。


冗談めかしなその力加減にも、Aの指先が震え出す。


「どんな手を使ったんだって、あん時は氷帝中その話で持ちきりだったよな」


「この人は、彼氏じゃ、ない」


Aが答えると、小泉は静かになった。無言でAを見つめてくる。Aは怖くて、目を合わせられなかった。


(__怒った?)


氷帝にいた時は、小泉を始めとする奴らに対しては敬語で接することを義務付けられていた。


悩んだ末、今日はタメ口で話してしまった。


だって、敬語で話したりなんかしたら精市に不審がられる。変に心配させてしまうかもしれない。


「まったまたあ!彼氏なんだろ?いちいち隠さなくていいって」


小泉が再び笑顔になって、バシバシとAの肩を叩く。


「いやさ、彼氏くんがとんでもなくイケメンなのも驚きだけど、お前の変わりようにも俺は驚きだわ」


「っ……」


小泉がAの毛先を摘んだ。


「ザ・真面目ちゃんスタイルだったのに、お下げもやめたんだ?今コンタクト?なんだよ、普通に可愛いかったんだな、烏理」


まだ心臓が嫌な音を立てている。小泉の指が、とても汚いものに見える。


(離せ。離せ離せ…!)


「今のお前とだったら俺、いけるわ。全然OK。許容範囲。むしろタイプ」


「ねえちょっと」


小泉が自分の指にAの髪の毛を絡め始めたところで、隣の精市が声を出した。

92話→



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桜田 しおり(プロフ) - 完結お疲れ様でした!素敵な作品に出会えて本当に幸せです、、またどこかでお会いできることを楽しみにしてます(^ ^) (2019年4月4日 17時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
萌々(プロフ) - 瑠璃さん» 今の今まで寝てたんですけど、嬉しくて目覚めました!ありがとう〜〜!! (2018年12月8日 10時) (レス) id: 20628541ca (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 本当に最高でした!!跡部の友情出演もほんとに好き( ; ; )この作品に出会えてよかったです!!! (2018年12月8日 2時) (レス) id: 2eb96c37cc (このIDを非表示/違反報告)
萌々(プロフ) - 0525_snoopyさん» ほんとですかー!ありがとう!嬉しいです!機会があったら、他の作品もぜひ読んでいってください。作品って言えるレベルじゃないですけど... (2018年12月6日 20時) (レス) id: 20628541ca (このIDを非表示/違反報告)
0525_snoopy(プロフ) - とってもとっても読んでいて気持のいい作品でした!!ステキな作品に出会えてよかったです。 (2018年12月6日 19時) (レス) id: bac5a7f004 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:萌々 | 作成日時:2017年7月27日 19時

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