甲斐隼人の告白 ページ1
ーある日の出来事その1ー
「おはよー！唯月！」
「あ、Aじゃん、珍しいね、こんな朝早いの。」
彼女は、あたしの親友である諏訪唯月だ。モデルもやってて、すごく可愛い。
あたしの話も親身に聞いてくれて、とても自慢の友達だ。(「私が親身に話を聞くのは親友のAだけだから！」By唯月)
「あ、うん。そうでしょ？あのね…」
そう、いつも朝来るのが遅いあたしが早く来た理由は…
「おい。A。」
クラス一の悪大将であり、あたしの片想いの相手である、甲斐隼人が先日…
「明日、用あるから朝早く来い。」
と、不機嫌そうに言われた。
顔がめちゃくちゃ怖かったから、あたしがなにかしでかしたのかと思い、気が気でなかった。
そんな事を唯月に話すと、納得したような顔をして、
「あー… 甲斐のやつ、やるじゃん。」
「え？」
「あ、甲斐きたよ。」
唯月に言われて、唯月が見ていた方向を見ると、確かに甲斐くんが居た。
甲斐くんはキョロキョロと教室を見回し、あたしと目が合うと顎でクイッとやった。
まるで、「来い」とでも言わんばかりに。
あたしが唯月をチラッと見ると、
「大丈夫だから、行ってきな。」
唯月は、可愛らしい笑顔を浮かべて言った。
あたしが甲斐くんの元に行くと、甲斐くんは無言であたしの手を引いて近くの空き教室へ向かった。
あたしは好きな人に手を握られているドキドキと、何言われるんだ…というドキドキで、心臓が爆発寸前だった。
教室に入ると、甲斐くんは手を離し、
「…俺は、Aに言いてぇ事がある。」
いつもの勢いのいい甲斐くんとは違って、慎重に言葉を選んでいるように見えた。
「その…1年の時、初めてお前を見た時から好きだった。よ、よかったら付き合ってくんねーか？」
…え？
あたしは、にわかには信じられなかった。
だって、あの甲斐くんが、憧れで、大好きな甲斐くんが、あたしを好きだと言った。
しかも、ちょっと耳が赤い。
可愛い…
なんて思っていると甲斐くんが、
「俺じゃ、嫌なのか？」
なんてちょっと悲しそうに聞いてくるもんだから、
「そんな事ない！あたしも甲斐くんのことずっと好きで…だから、その、あたしでよかったら、よろしくお願いします…」
慌ててあたしも自分の想いを伝えた。
甲斐くんは驚いたような顔をしていたけど、次第にそれは嬉しそうな表情に変わっていった。
ちなみにこの光景は唯月にばっちり録画されており、教室に戻ったら散々冷やかされることになる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 303人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
21ひかゆづ(プロフ) - 寄桜さん» おお…いいですね、ありがとうございます！ (2019年3月15日 12時) (
レス) id: 689bd3d6f4 (このIDを非表示/違反報告)
21ひかゆづ(プロフ) - summer1374さん» なるほど！わかりました、リクありがとうございます！ (2019年3月15日 12時) (レス) id: 689bd3d6f4 (このIDを非表示/違反報告)
寄桜 - いつも更新を楽しみにしています。リクエストなんですが、狂愛系な甲斐くんのお話を読みたいです！ (2019年3月3日 3時) (レス) id: 20396adf8a (このIDを非表示/違反報告)
summer1374(プロフ) - リクエストなんですけど、ナンパされた主人公を助ける甲斐くんが見たいです (2019年3月2日 23時) (レス) id: 41899e9978 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - このドラマ大好きなのであと大好きな涼太君が出てるので最高です (2019年2月1日 20時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：21ひかゆづ | 作成日時：2019年1月31日 15時
