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楽屋に入ると賢ちゃんが笑顔で迎えてくれる
……私もちゃんと笑顔になっとるかな
それぞれ準備しながら収録入り
ロケは信二くんとなっちゃんの回で
二人ともめっちゃ楽しそう
そういえば面白かった言うてたなぁ
それを見ながらツッコんだり
クイズでふざけたり
いつも通り楽しく収録できた
川・A「『お疲れ様でした〜』」
楽屋に戻ると
鞄から用意したプレゼントが頭を出してた
慌ててチャックを閉める
川「どうしたん、そんなに慌てて」
笑いながら話しかけてきてくれる賢ちゃん
その手にはさっきのプレゼントの紙袋
あー……また胸がズキズキと……
『ううん、なんでもない〜
鞄の中身出とったみたい』
ちゃんとチャック閉めや〜って言いながら
賢ちゃんも帰り支度を始める
言ってまう………？
プレゼント……持ってきてんで、賢ちゃん
美味しいお店も見つけたんやで…
言わな後悔する
というかもうなんか後悔しかけてる
意を決して、賢ちゃんって名前を呼ぶ
ん、何？どうしたん？
っていつも通りの、優しい笑顔
口を開こうとしたとき
ノックと共に、グラビアアイドルの子が入ってきた
「あれぇ、お邪魔でした？？」
川「あ、今ちょっt」
『い、いやいやいや、全然！！！！』
ほな、お先！賢ちゃんお疲れ様！
って逃げるように楽屋を飛び出した
賢ちゃんが何か言ってたけど
聞こえんかったことにしよう
廊下を急ぐ
不愉快な心臓の音が頭の中で反響してる
エレベーターに駆け込んで
一階のボタンを潰す勢いで押して
閉まるを連打して一息つく
「……何してんねやろ」
渡せへんかったなぁ……………
エレベーターには機械音だけが
虚しく静かに響いてた
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作者名：でぬでる | 作成日時：2022年4月2日 0時
