桃色ストーリー 3 (ページ46)

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　M-1が、終わった

　デビューした頃から可愛がってたミルクボーイが
　優勝して嬉しいって思えたし
　良かったなってホンマに思う

　でも…
　まさか、和牛があんなことになるなんて

　収録が終わって
　なっちゃんとご飯を食べよう
　という話になった
　マネージャーの鬼童さんも一緒や

　話題は決まって、M-1の話
　多分みんなも今頃お酒飲んだり
　反省会したりしよるんちゃうかな…

　夏「かまいたち、おもろかったなー」

　『そうやね…ミルクが優勝するとは…
　 …嬉しかったけどなぁ』

　夏「…厳しいコメントやったなぁ』

　『………うん』

　ピリついた会場の雰囲気が
　一瞬やったけどこっちにも伝わった

　夏「フレッシュさ求められるとキッツいなぁ」

　『…来年は…うちらもラストイヤーや…』

　なっちゃんは困ったように笑うけど
　私は目の前のビールを見つめて言う

　コップ一杯に入ってたビールは
　もう既に泡が消えてなくなっとる

　ため息ついて遠い目をしながら
　ビールをぐいっと呷るなっちゃん

　雰囲気を変えようと鬼童さんが喋りだした

　鬼「そういえば、今日Aさん
　珍しくピアスしてはりますね」

　『…え、あぁ、これ？？
　お気に入りやねん〜
　初出しやねんけど』

　鬼「綺麗な色ですよね」

　『うん、琉球ガラスなんやって』

　夏「川西のジャケットの色と同じやん」

　『ﾌﾞﾌｫｯ』

　鬼「うわぁっ！大丈夫ですか！？」

　ドキッとして
　ビールを思いっきり吹いてもた

　うわっ……ホンマやん！

　夏「え？何？意識したんとちゃうん？？」

　『なっ…！ちがっ…！！』

　鬼「えっ！やっぱりお二人って…！！」

　『ちっ、ちっ、ちゃうちゃう！！
　なんでそんなことになるんよ！！』

　頭横に振りすぎて
　気持ち悪くなってきた

　『がっ、願掛けみたいなもんやんか！』

　夏「和牛が敗者復活から優勝できますようにって？」

　今度は前後に頭を
　これでもかってくらい振ったから
　もうクラクラやぁ

　夏「アインシュタインも出よるのに〜」

　鬼「あ、ほんまですね
　和牛は特別ですかー？」

　『ち、ちゃう〜！

　 …待って、頭クラクラするわ』

　夏「どんだけ振っとるねんな」

　ゲラゲラ笑われるけど

　ちょっと今回あからさま過ぎたやろか…？
　え、ええよな？
　これくらい………？

　