桃色ストーリー 3 (ページ43)

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Your Side

　信二くんにお昼はご馳走になって
　その後の出番もええ感じに終わった

　出る度にすっごい拍手で
　暖かい言葉も飛んでくる

　最初は不安でたまらへんかったけど
　やっぱり人の笑い声って元気出るわ

　嬉しすぎてテンション高すぎたから
　アドリブ全開でなっちゃんも笑っとった

　信二くんと前に話したけど
　やっぱり、相方笑わすのって気持ちええねんよな

　

　それからバツウケの収録まで
　楽屋で賢ちゃんと簡単にご飯を食べることになった

　どことなくピリピリしよる気がするのは
　やっぱり、あの件、かな

　『…はい、食後のお茶どーぞ』

　川「お、ありがとう〜」

　やっぱり美味いなぁって
　喜んで飲んでくれる

　向かい合って賢ちゃんにしっかり伝えよ

　『…賢ちゃん、M-1、敗者復活から
　負けたらあかんで』

　ピクリ、と賢ちゃんが反応する
　やっぱりな

　『大丈夫、和牛やったら
　負けたら、これやで？』

　右手拳を左手にパァンと当てると
　賢ちゃんが笑いだした

　川「これは負けられへんわぁ」

　腕時計をチラッと見ると
　もう結構ええ時間になっとった

　川「ほな、行ってくるわ」

　『うん、頑張ってな』

　立ち上がった賢ちゃんに
　グーにした右手をつき出したら
　賢ちゃんが嬉しそうに笑って返してくれた

　『大丈夫やで、賢ちゃんやったら』

　いつか…いや、いつも賢ちゃんがしてくれるみたいに
　私も負けじと微笑んだ

　どうや！
　と思ったけど賢ちゃんは…
　なんかびっくりしとるような反応やねん

　川「…おう、ほなな」

　……ん？
　なんか素っ気ないで賢ちゃん

　パタン、と閉まった楽屋に
　ポツン、と一人残された私は
　先輩に飲みに誘われてたことを思い出して
　ルンルンで出かけた

　そういえば賢ちゃん
　耳、赤なっとった………？？

　気のせいかなー

　
　