桃色ストーリー 3 (ページ42)

今日:42 hit、昨日:15 hit、合計:35,626 hit

... ページ42

Natsuki side

　夏「ブランクあるとは思えんなぁ」

　『…お客さんがあったかいおかげやで』

　舞台に上がった瞬間
　お客さんからも「おかえりー！」の声や
　「待っとったぞー！」という
　励ましの声が聞こえた

　緊張しとったAもそれを聞いた途端
　満面の笑顔になって
　ペコペコしとった

　おかげさまで、いつも通り
　ええ漫才ができた

　漫才が終わっても拍手が鳴り止まんくて
　次の出番の師匠にイジられたくらい
　俺も結構手応え感じたし
　何よりやっぱり、楽しいわ

　

　楽屋で休憩しとるとノックがなって
　どうぞーと返事をすると
　和牛とアインシュタインの四人が来てくれとった

　水「A〜！復帰おめでとう〜！
　音沙汰なしでごめん〜！」

　『〜〜〜信二くん〜〜っ！！！』

　水「ｸﾞｪｴｴｴｪｪ」

　信二が入るや否や
　Aが突進するように抱きついた
　それを見てゆずるが相変わらずやなぁと笑っとる

　稲「もうそれ技かけられてますやん」

　川「水田、メッセージも何もしてへんらしいから
　根に持っとるんちゃう？」

　河「え、お前まじか」

　夏「……冷たい男やなぁ」

　あー…と思いながら
　ちらりと水田を見ると
　やばい、という顔

　Aの腕に力が入っとるわぁ

　『………ふんっ！』

　水「ごめ、ごめんって、Aｸﾞｪｴｴｴｪｪ」

　川「A、それぐらいにしてやってくれ
　水田潰れてまう」

　稲「ちょっと縦長になって
　痩せてええんちゃいます…」

　水「き"こえ"とる"ぞー！」

　『…しゃーないなぁ、お昼奢ってな
　重亭で』

　Aが抱きつく手を緩めた
　ゆずるが笑いながら水田の奢りやって
　俺らもそれにのっかる

　水「いやいや、おかしいやん
　 Aだけに奢るのは分かるけど
　なんで、ここにおる全員に奢らなあかんねん」

　『……ふんっ』

　水「あ"ーーーーい"たい"いたい！！」

　『み"んな"でっ、食べに"行く"のっ！』

　水「分かったからギブギブギブ！！」

　よし、と満足げに水田から離れるA
　満面の勝利の笑みで手を合わせて

　『信二くん、ごちそーさまです！！』

　俺らものっかる

　「「「「ごちそーさまです」」」」

　水「いやいや、おかしいやん」

　ブーブー言う水田やけど
　今回限りやとみんなでご馳走になった