桃色ストーリー 3 (ページ4)

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Kawanishi Side
　
　

　風呂に入ってビール缶をあける

　夏貴から誕生日のプレゼントにもらった
　酒とつまみも後でもらお

　明日は休みやし
　久しぶりに家でゆっくりできるわ

　そう思いながらソファーに
　どっさりと座り込む

　テレビをつけようと思ったけど
　そういえば今日ピーチーズのラジオやわ
　思い出してリモコンから手を離す

　スマホのアプリから番組名を探して
　酒のつまみで聴くことにした

　『ハッピーチーズな桃色ラジオ〜
　わーーい！パチパチ〜！！』

　初っ端からテンション高くて笑ってまう
　土曜の夜十時やもんなぁ

　夏「こんばんは〜土曜日の夜っ！
　いかがお過ごしですか？
　ピーチーズの桃井夏貴です」

　『こんばんは、桃木 Aです〜！』

　二人の軽快な会話が心地良い

　収録での話とか
　地方でのご飯の話とか

　夏貴がリードしながらも
　Aが会話をほどよく広げていく

　ふと、俺とAの話になって
　俺の誕生日に何かしましたか？
　と聞かれたA

　そういえば誕生日やったけど
　Aから何もなかったなぁ…

　『………忘れとった…………』

　ラジオから聴こえる絶望したような声

　反省するAと笑う夏貴の声が
　徐々にフェードアウトすると
　CMに入った

　………俺のプレゼント考えてくれとるんかな

　おもろいからAに
　ラインのスタンプを送る

　ピーチーズのラインスタンプ

　Aが怒りながら
　ええかげんにしーやぁ〜？？
　ってボイス付きのやつ
　そしたらすぐさま返信がきた

　速すぎやろ

　開くと、俺らのスタンプ

　すいませんってやつ

　さらに
　水田の悲しすぎてオ〜ゥ

　…なんで俺はこんなときも
　相方の声を聞かなかあかんねんな

　無意識に頬が緩んだ

　CMが開けて夏貴のタイトルコール

　『実は今さっき…
　和牛の川西くんからメッセージきました』

　夏「聴いてくれてるんや
　賢志郎〜ありがとう〜」

　『賢ちゃん、ホンマ、考えとくから〜！
　美味しいレストランでも
　何でも奢らせていただきます〜！！』

　夏「ヒュー！
　さり気なくデートに誘っとるやん」

　『ちゃうちゃう！！
　もー！安易にそんなこと言うたらあかんで！？
　今は何でもネットニュースになるねんから〜！』

　笑いながら、堪忍な〜ってAが言って
　また次のお便りを読み出す

　…番組が終わったら連絡でもとってみようかな

　