桃色ストーリー 3 (ページ25)

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Mizuta Side

　朝イチの新幹線で大阪に向かい
　NGKに着くなり廊下が騒がしいというか
　なんかざわざわした
　落ち着きのない雰囲気

　何事や？
　と思ったらミキの二人に挨拶された

　…あれ？今日こいつら一緒ちゃうよな？

　水「今日出番ないんちゃうん？」

　昂「僕ら今日ピンチヒッターですよ」

　…は？なんの？？

　頭にはてなマークつけて考えてたら
　亜生が驚いたように言うてきた

　亜「え、もしかして水田さん…
　知らないんですか？」

　信じられへん、という表情の亜生と
　嘘やろ、と呟いた昂生に
　若干の苛立ちを覚える

　水「いや、だから何が？？」

　亜「昨日の晩、Aちゃん倒れたんですよ
　緊急搬送されたの、知りません？」

　昂「ストーカー被害にあってて
　そいつも逮捕されたんですよ？！」

　そう言いながら亜生がスマホを見せてくる

　＜桃木 A、緊急搬送 M-1は棄権か！？＞

　水「……え、これいつの話？」

　昂「やから！昨晩ですって！！」

　スマホを見ると
　賢志郎からメッセージの通知が入っとった

　もう着く、の一言

　昂「夏貴兄さんから
　何も聞いてないんですか？」

　水「…聞いてたらお前に聞いてへんやろ？」

　昂生を横切り楽屋に向かう
　後ろでギャーギャー言う声が聞こえるけど

　そんなことより
　俺はこれが一体どういうことなんか
　早く自分で調べたいんよ

　賢志郎が着くまでニュースを見てみる

　度重なるストーカー被害のことや
　Aが出演予定の番組の変更や

　M-1のこと

　夏貴に直接聞けばええことなんやけど
　多分あいつは今
　対応と処理に追われとる

　Aの異変に気づかんかった訳やない

　でも本人が気丈に振る舞っとると
　それを見守るしかできへんやんか……

　ガチャ、とドアが開くと同時に見える
　相方の姿

　賢志郎、と呼びかけると
　驚いたようにこっちを見た

　川「びっ…くりしたわぁ、おはよ」

　水「おはよ、なぁ、Aのこと…」

　川「…知っとる」

　

　それ以上は喋りたくない
　という雰囲気を出しながら鞄を置いとる

　水「…夏貴からの連絡待ちかぁ」

　うん、と相槌だけうって
　スマホを触って黙る賢志郎

　ナイスタイミングなんか
　モ〜旅のグループトークに
　夏貴からの連絡が入った

　