桃色ストーリー 3 (ページ23)

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　『い、今、騒ぎを起こしたくない…
　やから、警察は……っ』

　夏「何を言っとんねん！！
　犯罪やぞ！これ！！」

　橋「ほんまやで！？
　これは見過ごされへんわ、A」

　鰻「庇う必要ないで！こんなん」

　『でもっ……！』

　

　「この写真、見られたくないんだよね」

　黙ってた変質者が一枚の写真を取り出す

　見たらそこに写っとるのは
　浴衣姿の賢志郎とAが
　抱き合ってるように、見えた、写真

　

　……なんでお前がこれ持っとるねん

　
　
　橋「何この写真…？」

　『やからこれはロケで…よろけて……』

　ハッ、としたように
　橋本兄さんがAを見る

　橋「A、ええから、大丈夫やから」

　

　スタッフさんから、通報しました、との声
　変質者を別のロケバスにうつして
　マネージャーの鬼童さんに取り押さえてもらっとく

　

　Aに俺のブラウスを着るように言って
　俺も一旦ロケバスを出ようとするけど
　Aは俺の服を掴んで離さへん

　

　夏「…A？」

　

　『ここ…おって……』

　

　か細い声

　血の気が引いて青くなっとる顔

　

　全身が震えて止まらへんのに

　

　

　お前、こんなときですら

　

　泣かへんねんな………
　

　