桃色ストーリー 3 (ページ21)

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　『だ…誰ですか………？』

　

　

　めっちゃ怖い

　

　

　なんかニヤッと笑いかけてくる

　

　「ねぇ、Aちゃん

　これ、なんだと思う？？」

　

　いきなり話しかけてきたと思ったら
　その男の手には一枚の写真

　

　この前モ〜旅のお祭りのときのワンシーン

　

　…人に押されて
　賢ちゃんにしがみついたときのやつや

　

　

　『こ、これ、この前の……？』

　

　「そうそう、これ、週刊誌に売ったら
　 …どうなるかな」

　

　『………！！！』

　

　「人に押された、だけで世間は納得するかな？？」

　

　困るよね？？
　とニヤニヤして見てくる

　

　「僕の言うとおりにしたら
　この写真もデータも消してあげる」

　

　怖すぎて体が硬直しとる

　

　『ど、…どういうことですか…？』

　

　ジリジリと

　ゆっくり近寄ってくるけど

　当然、逃げ場なんてなくて

　

　脱ぎかけたブラウスを両手で閉じてる私に
　ねっとりとした手を重ねて
　ニタリと笑いながら

　

　「僕のAちゃんなんだから
　隠す必要ないでしょ？

　僕言ったもんね
　いつだって僕は

　 ─Aちゃんだけを見てるって」

　

　

　抵抗したけど

　男の人の力には当然敵わへんくて

　

　座席の上に寝転がされ

　私の両手は頭の上で

　男の片手で簡単に抑えられた

　

　

　───怖い

　

　

　震えが止まらへん

　

　

　男がニタニタしながらブラウスを
　一気にはだけさせた

　千切れたボタンが足元に転がる

　

　

　
　怖い

　

　

　
　嫌

　

　
　触らんとって

　

　

　叫ぼうとするも叫ばれへん

　

　

　『い……や………嫌っ………！！』

　

　
　やっと絞り出した声

　

　

　誰かっ……

　

　

　誰かっ……

　

　

　『………賢……ちゃっ…………』

　

　

　そう願ってると
　ガラガラッと扉の開く音と

　怒鳴り声

　抑え込まれた手首の重さがなくなって

　

　気がついたら
　ピンク色のジャケットで体を覆われて

　なっちゃんに抱きしめられとった
　