桃色ストーリー 3 (ページ16)

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　『こ、こうかぁ？？』

　川「一回構えてみ」

　賢志郎がAの後ろに回りこんで
　構え方をレクチャーしとる

　身長差があるから賢志郎が少し屈むねんけど
　超真剣なAとは逆で
　賢志郎はめっちゃ嬉しそう

　『ほい』

　川「ﾝﾌﾌッ、右手がここ、左手がこっちや」

　『おーー！っぽくなっとんちゃうん！？
　川西先生教えるの上手やな』

　水「様になっとるで〜」

　『もう一回構え直すわ…こうっ！
　どう！？なっちゃん！』

　夏「いや銃口が俺の股間に向いてんのよ
　打つなよ、絶対に打つなよ
　フリちゃうぞ、打つなよ」

　川「ここ、ひくねん」

　『ほい』

　パンっ！！

　夏「あ"だーーーーーーっ！！！！
　ﾋｨｲｲｲｲ！！！！」

　男にしか分からんのよ、この痛さ
　やめろって言うやいなや打つから
　カバーできんかったし

　ケラケラ、ゲラゲラ、カーカー笑う三人と
　スタッフもめっちゃ笑いよるし

　そこで笑いとるんとちゃうねん…！

　夏「い"った"ぁあ……」

　何しょんねんって
　手カンペでAの頭を軽く叩く

　『なっちゃん、今の見た！？
　コルクの玉飛び出た！』

　夏「…い"や俺の玉も"…ビリヤード式に
　飛んでいきそうになったわ"…！！」

　あ"ーまだ痛い…

　『うわぁ、こんななっちゃん見たくないー……』

　夏「誰が言うて"んねん"…！」

　ゲラゲラ笑われよるけど
　シャレにならん

　水「とりあえず景品狙わんと」

　『え？こ、こう？？？』

　川「ﾝﾌﾌｯ、なんでそうなるねんな
　ほら……目の高さにこう…」

　Aが構えたその背後から
　賢志郎が支えるようにレクチャーする

　

　後ろから抱きしめとるみたいで
　傍から見るとめっちゃええ感じのカップル

　

　…まぁそれでもあかんかったわけで

　

　夏「ドローやなぁ」

　『なんでよ！うち当てたやん！！』

　夏「俺の股間にな！？！？」

　川「ボケでいうたらAの勝ちやで」

　水「ええーー！
　じゃあ俺も狙えばよかったわぁ、夏貴の股間…」

　夏「俺の股間に当てるゲームとちゃうねん」

　趣旨変わっとるがな

　

　そういいながら次の屋台に移動する
　Aは無意識かもしらんけど
　めっちゃ笑顔やし楽しそう

　賢志郎はずっと上機嫌

　このまま
　何事もなかったらええけど…
　

　