桃色ストーリー 3 (ページ12)

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Natsuki Side
　
　
　
　河「どこいっとんねんー！！
　写真撮る言うとるやんけ」

　会場にAが戻ってくるなり
　ゆずるがホッとした顔しとる

　『ごめんごめん！靴ずれしとって
　絆創膏貼っとってん！』

　河「慣れへんかっこするからやんか
　 ……痛みは大丈夫なんか？」

　ツンデレやなぁ
　きついようで心配してくよるんよな

　それを分かってるからか
　Aもヘラヘラしよる

　『へへっ、大丈夫、ありがとうゆずる〜』

　探しとったで、と言う
　信二もホロ酔い状態やねんけどな

　Aも走ってきたんやろな
　せっかく綺麗にセットした髪型が崩れとる

　夏「A、髪の毛が、ほら」

　こっちおいで、って髪を直してあげる
　まぁ……いうても俺不器用やし
　ササッと撫で付けるくらいしかできんのやけどな

　写真撮影大会みたいになっとる会場で
　酒も飲んで陽気にやっとって
　久しぶりのメンツとしゃべり倒して
　ええ気分になっとった

　

　そしたらそこに稲ちゃんが
　困ったような顔して俺に話しかけてきた

　稲「夏貴兄さん、ちょっとええですか？」

　夏「おう、どないしたん？」

　稲「いや…実はね
　さっき廊下のソファーにね
　 Aさんと橋本さんが座っとったんです」

　夏「おう、ほいで？？」

　

　酒を飲む手が止まる

　

　稲「橋本さんが、Aさんに、多分ですけど…
　告白、してたと思います」

　やっぱりか………

　夏「稲ちゃんありがとう
　賢志郎には内緒で頼むわ」

　それはええんですけど…って心配そうな顔しよる

　ホンマに稲ちゃんは優しいし
　いの一番に賢志郎に言わへんっていう
　気が利いとるとこも流石やわ

　

　…賢志郎に言いたいけど
　和牛も全国ツアー控えとるからな
　それを思ってくれたんやろ

　

　…まぁ俺らもまだツアー中でもあるんやけどな

　

　デビューしてから世話になっとったし
　育ちもええし
　悪い人では決してない

　まぁ、選ぶのはA本人なんやけど……

　何も知らず濱ちゃんとゆずると喋っとる

　……賢志郎、お前、どうする？

　

　