藤井の婚約者ですが！！

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あれから半年が経った。













あの日の夜の流星は
私を心から求めるかのように抱いた。


















でも、それを最後に
流星は私を抱くことなんてなかった。















半年間、何もされていない。
キスだってされていない。何の展開もなかった。














だからと言って、口数が減った訳では無いし
むしろそういう行為を全くしなくなった熟年夫婦みたいな。











仲は良いと思う。













望さんともあれから何度か会っていて、ちょっかいはかけられるけど触れてはこない。












重岡とも良い関係を築けているし、
重岡はまだ辞めずに同じ会社で働いている。















平和な日常、平凡な日常、そのはずやのに
なぜか胸はざわついて不安な日々















流星が触れてこないから違和感なのか














そうかもしれない、
流星が初日に言った言葉を覚えてる私には不安でしかなかった。











___________『まぁでも俺ら婚約してるんやし？？
性 欲でも溜まったら好きに利用させてもらうな？？ﾆﾔｯ』













私はその言葉の意味を、
『お前は俺の性 欲処理』という意味だと思い続けていたから、抱かれていない私は何のために流星の側にいるのか分からない。














夫婦ごっこも終わりにして、
「私達には夫婦になる事が出来なかった」って
お父さん達に事実を話すべきじゃないかと思った。

















私の恋は一方通行でしか無かった。
















だって、想いなんて伝えられへんし、
伝えたところでルールを破る事になる。















結局バッドエンドになるなら、
波風立てずに折れた方がお互いの為になる。

















流星にはエリカさんみたいな人がお似合いだって。
















流「美味しい」














目の前で私の作った庶民的なご飯を
「美味しい」と頬張る流星に胸を痛めた。

















ほんまは高級料理店のご飯が好きなはず。
私にわざわざ合わせる必要なんて無いのに。














初めは「美味しい」の言葉がとても嬉しかった。














でも、今の私の心は不安に支配されて
素直に喜べなくなっていた。

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