他の誰かより悲しい恋をしただけ

いい子 ページ15

「ちょっとアンタ達、この子嫌がってるやんか」









春「Aちゃんっ！？！」









春奈ちゃんの盾になるように前に立った。









男「おぉ？お友達か？笑



この子も美人やんか！！一緒に俺らと遊ぶー？」









「触んな。遊ばんし。」









男「口悪いなぁ！

ちゃんとしつけしてやらんとなぁ！ﾆﾔｯ」









私は春奈ちゃんの手をギュッと握った。









「逃げるでっ！！」









私は春奈ちゃんの手を強く引き
人ごみの中に逃げ込んだ。









ネオン街から遠く離れた所まで走った。









そして誰もいない公園のベンチに座った。









春「はぁはぁはぁ…」








「はぁはぁ…怪我はない？」









春「うん…無いけど…

なんで…助けてくれたん？」









春奈ちゃんは私の目をジッと見つめる。









「なんでって…


春奈ちゃんが困ってたから。」









春「え、、」









「おかしいよな。


自分でも不思議に思ってる。




春奈ちゃんは恋敵なんやし無視すればええやんって思った自分もおったけど




出来へんかった。




不幸な人間は私だけでいいなんて…」









春「……」









「ふふっ笑


おかしいやろ？



私のこと笑ってくれてええよ。」









自分で言っといて辛くなる。















俯いた瞬間、私は抱きしめられた。









「え、、」











春「おかしくなんかないっ！




私はほんまに感謝してるっ！！





Aちゃんのこと、かっこいいって思った！ｸﾞｽｯ」









涙を流しながら春奈ちゃんはそう言った。









春「私ねっ今、意外やなって思った。



でも、確信してん。」









「なにを？」









春「Aちゃんは本当はいい子だって！




望や流星君が口を揃えてそう言う理由が分かったんよ！ｸﾞｽｯ」









「え、、望君と流星が…？」









春「うんっｸﾞｽｯ



流星君なんか特にねｸﾞｽｯ






ねぇ！Aちゃんだけが不幸なんて変やよ！そんなのおかしい！」









「何言ってんの…」









春「Aちゃんは幸せにならなあかん子なんよ！ｸﾞｽｯ」









「春奈ちゃん…」









春「私、絶対恩返しする！」














私はｿｯと春奈ちゃんの服を掴んだ。














「じゃあ…今日、泊めてもらっていい？」

いつもと違う朝→←戸惑う心

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す