満月の夜に。 Daiki (ページ8)

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目が覚めれば、また下校時刻を過ぎていた。

また、置き手紙とリュックが置いてあって

俺はそれを背負って学校を出た。

Aちゃんと会うようになってから
明日で１ヶ月。

１ヶ月…ということは…

しばらく会えへんくなる？

明日は満月。

ということは…今日で最後？

俺は慌てて家に帰って土手に向かった。

まだ空はオレンジ色だった。

俺は彼女が来るまで寝転がって待つことにした。

でも、眠ってしまっていた。

目を覚ますと真っ暗だった。

めっちゃ寝てもーたな。

『よく眠れた？ﾆｺｯ』

上から彼女が俺の顔を覗き込んだ。

「ビックリした！！」

『ふふふ笑』

Aちゃんは俺の隣に腰を下ろした。

「あ、あの…」

『ん？』

「今日で…最後…？」

恐る恐る聞けば、彼女はｺｸｯと頷いた。

『でも、また１ヶ月後には会える。

重岡くんが会いに来てくれるかは分からへんけど…笑』

「絶対、会いに来る！」

『ほんま？』

「ほんまっ！」

『ふふふ笑

なら、私も１ヶ月間頑張れる！』

そう言って微笑んだ。

「Aちゃんは昔から、この土手に来てたん？」

『うん、そうやで。

ここから見える月と星が好きやねん。

もちろん、明け方の朝日も

夕方のオレンジ色の空と夕日も！』

「え、じゃあ、たまに朝にも来たりするん？」

『昔の話ね…。

今は夜しかここに来られへん。

またいつか見たいな…朝日も夕日も。』

また悲しそうに微笑んだ。

「俺が叶えたるよ！」

そう言えば、Aちゃんは少し目を丸くした後、微笑んだ。

『ありがと！

でも、それは難しい話かもね…

あ、でも、重岡くんに会えなくなる１ヶ月間、私、頑張るから！

おねだりしてみる！！

次、会うときに見せてよ！ﾆｺｯ』

「おぅ！」

おねだりって誰にするんやろか。

誰がAちゃんを１ヶ月間も閉じ込めているんやろか。

聞こうとしたけど聞けなかった。

また彼女を苦しませてしまうような気がしたから。

『あ、もう時間や』

そう言って立ち上がった彼女は

俺に優しく微笑んで
『またね』と去っていった。