満月の夜に。 Daiki (ページ3)

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『私は月村 Aって言います！』

「月村…A…？」

聞いた事があるような…

『私の名前…変ですか？』

不安そうに彼女は俺の顔を覗いた。

「いや！ちゃいます！

えっと、俺の名前は重岡大毅です！」

そう言うと彼女は驚いた。

『あなたが重岡大毅さんですかぁ！』

「は、はい？」

目をキラキラ輝かせながら俺を見つめる。

『淳太君から重岡さんの話をよく聞きます！』

淳太君…？それって！

「中間淳太ですか？」

『そうです！私の担任の先生なんです！』

え、

「俺も担任、淳太やけど…？」

『そうですよね！知ってます！

私達、同じクラスですよ！！』

嬉しそうに微笑む彼女をよそに
俺の頭はプチパニックを起こしていた。

「え、待って！どうゆうこと？」

俺がそう聞けば、『あ、そうだった！』と
俺の前で正座をしながら説明を始めた。

『クラスに不登校の人がいるでしょ？』

そう言われてみれば確かにそうだ。

俺のクラスには不登校の人が…

って、えぇ！？

『私がその不登校の人です！』

「え、えぇっ？！」

そうか！だから名前を聞いたことがあるんやった！

『ビックリですよね笑私も驚きました笑』

えへへと笑う彼女がとても可愛らしかった。

「なんで…学校に来ーへんの？」

そう聞けば、彼女から笑顔が消えた。

「あ、なんか、ごめん、、。」

『…いえ、大丈夫です。』

彼女は悲しそうに微笑んで俯いた。

「もしかして…来たくないとか？

いじめ…とか？」

そう聞けば、彼女はフフフと笑って

悲しそうな目で俺を見つめた。

『今はそういう理由にしておきます。』

今は…ってどういうこと？

俺は彼女が気になった。

知りたくて知りたくて思わず彼女の手を握っていた。

「詳しく聞かせてくれへん？」

『え、あ、その…。』

こんなん、ただ彼女を困らせてもーてるだけやん…。最低や俺。

「あ、ごめんなさい。」

彼女はううん。と首を横に振った。

『またいつか話しますから…。』

なんで、彼女の目はそんなに悲しそうなん？