いつも貴方の側に (ページ5)

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あの日の事(２) ページ5

「…え？！櫻井さん？！」

「そりゃメンバーが僕の仕事場に来るって言うんだから、僕が直接歓迎しなきゃダメでしょ＾＾」

「やっぱ仲いいんですね～♪」

間違いじゃないけど。

ちょっと違うんだよ、ＡＤくん＾＾

智くんが席にスタンバイして、キューが出た。

…前回より全然緊張してないじゃん…

むしろ楽しんでるよね？

いつも言ってくれる

『入れ替わるなら翔くんになって、ニュースとかやってみたい』

あなたが本気で今を楽しんでくれているのが、嬉しい…

ＶＴＲが流れる間に、そっとカメラさんの後ろに影のように立ってみる。
キャスターの皆さんが驚いた顔で俺を見る。

目だけで挨拶すると、みなさんちらっと俺の席を見て、温かく俺に頷き返してくれる…

なのに
肝心のあなたは、ＶＴＲに見入ってて、気づいているんだかどうなんだか…

「大野さん、他のメンバーの皆さんは見てくださってるでしょうか？」

「そうですね。

櫻井キャスターは、見てくれてるんじゃないでしょうかね」

悪い顔でそういうと、貴方は俺を真っ直ぐ見つめてきた。…

ばきゅんっ

感情や行動に音や映像があるなら、あなたの視線はまっすぐ漫画のように俺を射ぬいた。

俺は真っ赤になっているであろう自分をごまかすために、そして、間もなくスタジオを離れるあなたの為に

一足先にスタジオを出た。