いつも貴方の側に (ページ17)

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上を向いて歩こう(２) ページ17

『お疲れ様ー♪上野あたりまで迎えに行くから』

撮影が終わってメールをチェックすると、潤から待ち合わせ場所を指定するメールが入っていた。

「…」

いいんだけどさ…
けど。

『お前、暇なの？』

メールを返す。

『終わったんだね？そこからなら１５分あれば着くから、美術館付近で降ろしてもらってねー』

今日は逃げられそうにないな…
度重なるお誘いをはぐらかし続けたが、どうやらもう無理らしい。

…
腹を括るか。

移動車から降りて人通りも少なくなってきた通りを歩いていくと、一台の車がライトを明滅させてきた。

「リーダー。お疲れ様っ」

「お前、暇なの？(苦笑)」

「そうでもないけどね。あなたを迎えに来るくらいの暇なら、ある」

「…せっかく時間空いたんなら、…俺の為になんか使うなよ…自分の為に使えよ」

「だから、俺の好きなように使ってるんだよ。

早く乗って？目立つからさ」

乗り込むとすぐに滑るように走り出した車内には、微かに音楽だけが流れていた。

「ねぇ、リーダー」

「…うん」

「俺…冗談や遊びで言ってんじゃないんだよ」

「わかってるよ…」

「少しは考えてくれてる？」

「……」

「なんで…なんて、もう聞くなよ。

俺はあなたがあなただから、言うんだから」

「…」

「あなたが何を気にしてるのかも、わかってる。

俺たちの立場も、ちゃんとわかった上で言ってる」

「…」

「まったく…その気がないんなら、きっぱり切り捨ててくれればいい。

でも…

リーダー…一度も、そうは言わないよね」

「…」

「それを諦めろって方が、無理な話だぜ？」

「…」

二人は黙ったまま、しばらく車を走らせた。