いつも貴方の側に (ページ11)

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翼をください(１) ページ11

「大野キャプテン。今日のフライト、ご一緒させていただきます」

「櫻井さん。…あなたがコーパイ？どうして(笑)」

「予定していた相葉くんが体調不良でして」

「(苦笑)ダブルキャプテンとはもったいない。しかもあなたのように優秀な方が。私の代わりにキャプテン席に座ってください」

「それは困ります。私は大野さんがキャプテンだというから、オフを返上したんですよ？」

「また(苦笑)

…でもあなたと一緒なら心強い。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

ブリーフィングルームに入ると、既に集まっていた客室乗務員たちが色めきたった。

パイロットの中でも人気のある二人が揃ったのだから。

「…それでは本日も安全なフライトを。よろしくお願いします。」

「「「「よろしくお願いいたします」」」」

様々な確認を終え二人で機種点検に向おうとすると、チーフパーサーが満面の笑みで近づいてきた。

「本日はよろしくお願いいたします」

「こちらこそ。」

「あの、キャプテン。本日のステイで、よろしければお食事をご一緒にいかがかと…」

「(微笑)申し訳ありません。櫻井さんと一緒にフライトする機会などないものですから、二人で積もる話もありまして。」

「…そうですか」

あからさまにがっかりする彼女に微笑みかけて、キャプテンはさっさと歩き始めた。

「キャプテン…」

「…すいません、勝手に約束をしたようなことを言って」

「いいんです。でも…よろしいんですか？

私は…願ってもないことですが…」

「ご迷惑でなければ、…お付き合いいただけませんか？

あぁいうのは、…実は苦手なんです(苦笑)」

「…実は私も同じです(笑)ありがたくご一緒させていただきます。」

キャプテンの大野は櫻井にとっては尊敬と同時に憧れの先輩。
同じキャプテンで優秀な二人が同時にフライトすることなど、普段ならあり得ない。