体育にて2 ページ3
「あっつい…。」
ジリジリと太陽が照らす中、私たちはプールサイドにいた。
なぜなら理由は至って簡単なもので、プールに入る前の準備体操をしているからだ。
太陽によってすっかり温められてしまったプールサイドは、熱いなんてものではなく、完全に熱しられた鉄板の上みたいになっていた。
すぐそこには水があるのに、入ることが許されないこの苦痛。
先生たちはサンダルがあるから大丈夫かもしれないが、私たち生徒は死にそうです、先生。
あ"つい"〜、なんてだらしなく音を上げているのはやっぱり真波で、真波は私たちとは違い、体操服を身に纏っていた。
「真波、水着は?」
散々人に迷惑かけといて自分は入らないのかよ、と内心毒づきながらも聞いてみると、真波は急に真剣な顔をした。
体調悪いのかな?そう思ってきいてみると思わぬ返答がされた。
「いやあ、アレって28日周期じゃん?丁度被っちゃったんだよね。」
いやいや、なにいってんの。
男子に28日周期のものなんて無いでしょ。
勝手に決めつけるのも悪いし、もしかしたら暑さからの幻聴かもしれないから、もう一度聞いてみることにした。
「それってなんの周期?」
「やだなあ〜、そういうの聞いちゃう?28日周期なんて普通わかるでしょ?」
「いや、男のあんたには来ないよ?」
私が真顔でそう答えると、少し俯いた真波から小さく、来ないもん…、と聴こえてきた。
「来ないものは来ないよ、もしかして真波泳げないの?」
そう聞くと、まるで、ギクリという効果音が付きそうな反応をした。
「ふ〜ん、真波泳げないんだ〜?」
側から聞いても喜色だった声を出したと思う。
あの真波にも弱点があったなんて意外だった。
まあ人間だから弱点はあるものなんだけれど。
でもそっかそっか、泳げないのか〜、いいこと知ったなあ、なんて思っていると真波が急に叫んだ。
お願い!
「お願いだからっ、センパイたちには言わないで…!」
「え、別にいいけどなんで?」
私がそう聞くと、真波はバツが悪そうな顔をして口籠もらせて言った。
「センパイたち絶対馬鹿にするでしょ…?」
そういって顔を俯かせて、か細い声を出す真波はまるで捨てられた子犬のようで、不覚にも胸がキュンとした。
言いふらしても私に得はないし、黙っておいてもいいのだが、普段から迷惑をかけられているお返しにたまには意地悪を言ってみてもいいだろう。
「え〜?どうしよ〜、やっぱり東堂先輩にでも言っちゃおうかな?」
続きます。
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作者です - あああああ、ありがとうございます!外しました!ご迷惑をおかけしました…。 (2014年12月1日 13時) (レス) id: 28924a3281 (このIDを非表示/違反報告)
悠海 潤(yujun)(プロフ) - 作者ですさん» オリジナルフラグとは、作品の画面の下の方にある「オリジナル作品」の文字のことです。作品を編集する画面にある「オリジナルフラグ」のチェックボックスにあるレ印チェックを外せばオリジナルフラグが取れたことになります。 (2014年12月1日 8時) (携帯から) (レス) id: 3e51777fc0 (このIDを非表示/違反報告)
作者です - ごめんなさいオリフラってなんですか。すみません。テスト終わり次第更新させてもらいます。 (2014年12月1日 7時) (レス) id: 28924a3281 (このIDを非表示/違反報告)
yujun@現実逃避者もどき(プロフ) - もうすでに皆さんご指摘をされていますが、オリジナルフラグを外して下さい。 (2014年11月21日 19時) (携帯から) (レス) id: 3e51777fc0 (このIDを非表示/違反報告)
愛蒼唯(プロフ) - オリフラ外さないとっ おもしろいのにもったいないですよ〜 (2014年11月21日 17時) (レス) id: 96b691ff16 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2014年11月7日 0時