2-38話 ページ39
角名side
ヒューーー
パーンッ!!!
花火?
A『もしかして!(パッ)
···やっぱり(フッ)』
ポケットからスマホを取り出し画面を見るなり、ふにゃりと柔らかく微笑む
角名「もしかして花火やること知ってたの?」
A『はい。黒須監督から教えてもらいました』
〜回想〜
A『黒須監督!私も手伝います』
黒須「これくらい俺がやるからええよ!」
A『私の仕事でもあるのでせめてバケツの片付けはします!』
黒須「これは参ったわ···あっ、そや!
良いこと教えたるわ!」
良いこと?
黒須「近く、はないんやけど祭りやっててな?花火も打ち上げるんよ!その花火、うちのグラウンドからごっつう綺麗に見えるんやで!」
A『それは見てみたいです!』
黒須「言うと思ったわ!そんなら校舎側流し場の方行って水流す次いでにグラウンド行ってき!
鷲匠監督には俺から言っとくで」
〜回想終了〜
A『20時頃って言われたのでタイミング的に見れるかなって思って』
角名「それならそうと言ってくれればよかったのに…
何も隠そうとしなくても」
A『何か恥ずかしくて。一人で見に行こうとしたものの暗くてグラウンドの場所分からなかったですし』
あはは、と少し恥ずかしそうに笑った
A『でも、角名さんが声を掛けてくれたの嬉しかったです』
角名「えっ···」
A『角名さんのおかげでこんなに綺麗な花火を見ることができました』
角名「っ···大袈裟だよ。
俺とじゃなくても、この花火は見れたと思う」
一瞬期待した自分がいる
そんな自分を宥めるために俺は皮肉を言う
A『でも、今一緒にいるのは角名さんです。角名さんといるからここで見れた、それは変わりないです』
ドクンッ
波打つ音を感じる
分かってる
その言葉に特別な感情が入ってるわけではないってことぐらい
分かってるはずなのに
彼女は目を細め、うっとりと花火を見つめる
あぁ、綺麗だ
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作者名:玲葉 | 作成日時:2019年12月8日 19時