僕のお気に入り 2

大丈夫じゃない　(セン) ページ10

マンネラインに本当に翻弄されてばかりのダメな私…

私がしっかりしないと…フンッと心の中で気合いを入れる。


「Aヌナ、今日はもうお仕事終わり？」

セフンが私の前に散らかった教材をトントンと整えて、手渡しながら聞いた。


「うん。今日は練習生の授業もないしね。帰ってみんなのノートのお返事を書かないと！」

「そう！じゃあ僕下まで送る！行こう！」

そう言って私の手を取って、立ち上がりやすいように手を引いたセフン。


だけど後ろからタオが抱き付いたままだから
上手い事立ち上がれなくて尻もちをついてしまう。


「タオ、離してくれる？」

「やーだ！だったら僕も一緒に送る！！」

そう言うと私のわきの下に手を突っ込んで
まるで子供にやるように、ひょいっと私を立ち上がらせたタオ。


「もう！先生を子供扱いしないで！」

そう言うと、えへへと笑った。
もう！


「ヌナ。行こう。」

セフンにまた右手を取られて、エスコートするように前を歩くセフン。
左手はタオに握られていて、私の後ろを歩くから何だかとても歩きづらい。


…あれ、セフンの手、異常に熱くない？

リビングを出て、玄関もあと少しというところで
「おっと…」と、足を縺れさせたセフン。


「タオ、ごめんちょっと手離して？」

振り返ってタオに言うと、キョトンとして手を離された。


「セフナ、こっち向いて？」

繋がれた手をグッと引くと「何？」と振り返ったセフン。
私の顔よりも随分と高い位置にあるセフンの頬に手を当てる。

顎の下、首、おでこ

…やっぱり……


「セフナ、具合悪い？」

「ううん？全然平気。」

「本当に？」

「ん〜少し目が回る？…かな？でも全然大丈夫。」

にこっと笑って、えへへと乱れた前髪を直したセフン。


顔もいつもより更に白いし、白いというか青い…？


「嘘言っちゃダメ。頑張りたい気持ちはわかるけど、多分凄い熱出てるからちょっとおいで。」

今度は私がセフンの手を引いて、リビングへ戻った。


「ジュンミョン、セフニ多分熱ある。体温計ある？」

そう言うと、イーシンが体温計を渡してくれてセフンに測らせる。

ピピピッと音がして、体温計を見ると３８．６…
もう！やっぱりすごい熱！！


「うわぁ！どうして具合悪いなら具合悪いって言わないの？セフナ！」

「気付かなかった〜」

って笑ってるセフン。

ガチャッとリビングの扉が開く音がして、
全員の視線の先には出かける準備万端のマネージャーが居た。

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