僕のお気に入り 2

どっちが… (腰痛パンダ) ページ49

『それじゃあ、分からないとこ、思い出したらメールしてね？』

話も一段落着いて、セフンもそろそろ戻らないといけないんじゃないかな？
会議室で別れを告げたのと同時

「あ…」

丁度、目の前のエレベーターが開いて

中には先客が2人。

両手にジュースのボトルを一杯に抱えたジョンインと

「マンネー！何やってんの！重い！早く持って〜！腕がいたい！」

同じくらいボトルを抱えて、

わたしにはお構い無し。

隣でぽけーっと立っているセフンを確認した瞬間、グズり出したタオ。

えぇ…っと、セフンよりタオの方がお兄さんだよね？

ていうか、タオって成人だよね？？

こども？？

それに意外と腕、がっちりしてるし

全然、重そうじゃ無いんだけど…

きっと私だけじゃない、セフンもジョンインも思ってるはず。

それでもなお、

「ねぇっ！は〜や〜くっ！タオの腕が折れちゃうよぉ〜っ」

顔だけは苦しそうに歪めてダダをこねるタオは


「もぅ…赤ちゃんみたいでしょ？」

『う、うん…』

隣のセフンが
呆れたようにため息を着いて、エレベーターに向かう姿が
急に大人びて見えてしまうくらいだから

本当に理解し難い…

「ねぇーセフンってばぁっ」

「タオ、うるさいよ…」

あ、ジョンインにも怒られちゃってるし…

ここだけ見ると、ちゃんとMマンネ。
セフンの無邪気さに負けないくらい、無垢なマンネにみえる。

いつもこうならいいのに。
そしたら私、タオ見ても平静としていられると思うのになぁ

あまりのギャップに


『ふふっ』

なんだか可笑しくて笑がこみ上げてきた。

「あぁ〜！Aヌナ笑っt「もう行くよ…」

『あ…』


すぐに抗議しようとしたタオの行動は、ジョンインが強制的にドアを閉めたことで
阻止されてしまったけど

閉まったドアの向こうから

「後で覚えといてよぉ〜」

悔しそうな、でもなんとなくマヌケな声が漏れてくる。

なんだか今日のタオは、ふにゃふにゃ？

とかいいつつも…

実は今のセリフに、

この前の帰り際を思い出して
ドキリとしてしまった。

唇に、またあの時の感触が蘇ってきて

心臓がドキドキし出す。

どうしちゃったんだろう、わたし…


一人残されたエレベーターホールで、
火照った顔を両手で隠す。


赤ちゃんだったり、いきなり男らしかったり
一体どっちが本当のタオなの？

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