僕のお気に入り 2

気が抜けるやりとり（タキ） ページ35

すぐにブブっと携帯がなる

”間違えた！こっち！こっち！”

今度はちゃんとおいしそうなごはんの写真
間違えかー！
あせったのか普通に韓国語だし

”僕犬食べないよ！ヌナ！”

ちょっと間があったのは、私の送った日本語を訳していたからだろうか
恥ずかしい
がんばってぼけてみたのに

”ヌナの今日のご飯はなに？写真！写真！”

特に私のぼけに対するからかいもなくそんなメッセージがくる。もう日本語はやめたらしい

”ごめん、もうご飯食べちゃった”

”そうなの？ヌナのごはん見たかったのに”
”今はなにしてるの？”

間髪入れずくるメッセージ
どうやったらそんなに早く文字打てるんだろう

”ちょうどセフンのノートの返事書くところ”

”僕の？すごいね！うれしい！”

すごい、うん、すごいタイミングだよね
いったん携帯を置く
またブブっとなったけど、ちょっと待ってね
返事書いちゃってから
セフンもごはん食べるだろうし

ノートを開く

ん？
あれ？
おかしいな、ページをめくってみる
んん？

セフンのノートにはなにも書いていなかった
前の私の返事の後は白紙
次のページにも何もない

ちょっと、なに？
ちょうどいいから直接セフンに聞いてみようと携帯を見れば

”待って！間違ったうれしくない！ノート開かないで〜！”
”返事こない！もう開いちゃったの？”
”ごめんヌナ、今日なんにも書くこと思いつかなくって”
”ぬな〜、ごめんなさい、怒らないで〜”

たくさん来てた
なに？書くこと思いつかなかったの？

…考えてみれば今日まともな授業ほとんどできなかったもんね
と思ったらまた思い出す今日の出来事
ぐっ、

”セフン、大丈夫。でも次からは思い浮かばなくても何か一言は書こうね”

…偉そうな文章だな。だめだめな教師だったのに

”私もごめんね、今日はだめな先生だったよね。次からはちゃんとするから！”
一文つけたした

”うん！ありがとうヌナ！次からはちゃんと書く！”
送ると同時にきたメッセージ

すぐにもう一回バイブがなる

”ヌナはだめじゃないよ。僕の大好きな先生だよ”

…なんていい子なんだろう
涙がでそうになる

”ありがとう。セフンのことばを胸に先生がんばるよ！”

セフンのノートにも一文書いて次のノートを手に取った

何人か返事を書いていたら、また携帯のバイブがなった

あれ、返事こないからもう終わったと思ったのに、またセフン

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