僕のお気に入り 2

迷惑なタオ（タキ） ページ19

ギョンス視点


どうしよう
太股が痛い

ぎりぎりと鷲掴まれて
太股の肉がはぎとられそう

「ねぇ、タオ。ちょっと」

話しかけてもこっちを見ないタオ
鋭い目をした彼の視線の先は、マグカップを持ってにこにこしてるAヌナだ
でもタオの視線の先なんて正直どうだっていい

とにかく僕の太股をつかむのをやめてくれ

ブス

「いたーーーい！！」

ほっ、やっとはがれた
あぁもう、痛かった
痣になってないかな

「ギョンスっ、なにするの！？」

「何、どした」

「タオ、なんかあった？」

「ギョンスがっ、ギョンスがタオの手にペンさしたぁっ」

「は？ペン？」

「そんな強くさしてないよ。大げさだな」
僕の太股の痛みに比べたらどうってことないだろう

「だって見て！血！血出てるよぉ！」

「ま、まじだ！ギョンスなにやってんの！？」

「ヌナぁっ、血がぁ！」

立ち上がって走っていこうとするタオの手を取る
確かに赤いけど

「これインクだよ。僕血でるほどぶっさしてないもの」

「ぶっさ…ひぃ」

これくらいでピーピー言わないでよ
武道やってるくせに

「あの、タオ大丈夫？消毒する？」

ヌナの一言にタオの表情がぱーっと明るくなる

「う「ヌナ、大丈夫だから。授業の邪魔しちゃってごめんね。僕らのことは気にしないで。ほら、タオは座って」

消毒する傷なんてないんだから

「そう？えーと、じゃあ授業進めるね」

僕らから視線をはずしたヌナに、タオがわかりやすく落胆した表情を見せた

よし、僕も勉強勉強

「ねぇ、ギョンスヒョン、それってわざとなの？」
ぷくく、と笑いをこらえたジョンインが話しかけてきた

「なにが？」
ちょっと座る位置を間違えたかな、と思いながら返事をする
イーシンヒョンかミンソクヒョンの隣あたりに座るべきだった。あの辺は穏やかな空気が流れている

「タオヒョンだよ。ぶっは、すごい顔」

「ジョンインもすごい顔だから大丈夫だよ」

「なにが大丈夫なのっ、なにがっ」

ジョンイン最近笑いのつぼが浅いなぁ
なんでも笑える年頃なのかな

ヌナが言うことをノートに書き留めながら、そんなことを思う

笑いながらべろーんと僕に寄りかかるジョンイン
「重いよ、」

「だってぇ。あっはっは」

ジョンインのすごいところはこんな爆笑しててもちゃんと勉強にも集中してるところだ
僕の場合、しっかりノートとったりしないと集中できないから。あぁ、やっぱり座る位置間違えたなぁ


＊ ＊ ＊

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