僕のお気に入り 2

冷えピタはいらないから (腰痛パンダ) ページ14

「もっと熱が上がっちゃうよ…」

小さく漏らした本音は

「え？！大変っ！セフナ、冷えピタ貼ろうか？？」

しっかりとAヌナにも聞こえていたみたいで…

僕の言葉に慌ただしく動き出すヌナが、部屋から出て行こうとするから

「ちがうよ…」

重たい腕を動かして、細い腕を掴んだ。

「え？？ちがうの？」

「…」

ちがうよ。

確かに熱くなるけど…

もっと好きになっちゃうって意味だよ…

じぃ…っとヌナを見つめる。

あ〜ぁ…

今言っても、きっと受け止めてくれないだろうなぁ

こんな熱で、頭がおかしくなってるって勘違いされちゃう。

でもこのまま何もしないでいたら、ヌナをタオひょんに獲られちゃう

だって、

「キス…」

「へっ？！」

これだけで、声が裏返っちゃうくらいだもん。

タオひょんのことすごく意識してる。

ずるい

僕だって、ヌナとキスしたいし。

でも今したら、風邪、移しちゃうし…

あ〜ぁ…ついてないな

「あの…セフナ…？」

視線の先のヌナは、何にも言わない僕に少し戸惑ってるみたい。


見過ぎちゃった？？

弱っちい上に、何考えてるかわからない奴って思われるのも嫌だしな

仕方が無いから、カッコいいところはこの熱が下がった時に見せるとして…

今日はヌナにうんと甘えよう

「ヌナ？？」

なるべく庇護欲を刺激する声、視線を意識する。

「えっと…なぁに？」

急に甘えたな雰囲気が出た僕に、ヌナも少し安心したでしょ？？

「冷えピタはいらないから、ここにいて？」
「あと、お粥…僕、体が重いから食べさせて？」

それと…

「僕が寝るまで手、繋いでてね？なんか心細いんだ…」

マンネの愛嬌なんていくらでも出来るよ？？

ヌナは僕を理想のマンネって思ってるみたいだから…


「もぉ〜甘えただね(笑)」

やっぱり…

マンネらしく振る舞えば、拒むことなんかないんだ


「とりえず、お粥…食べたい。ヌナ、ちゃんとふぅふぅしてね？」


「分かった分かった」

僕のお願い通り、お粥を冷まして口元まで運んでくれるヌナを見て

ぼんやり考える

あ〜僕って計算高いな…

騙されちゃうヌナもヌナだけど…

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