料理〔Horror〕 (ページ9)

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刑事「…何故、貴方はAちゃんを攫ったのですか？」

ﾎﾗ「攫ってねぇ、アイツがこっちに来たんだ。」

俺が作っていた料理の匂いに惹かれて。

刑事「…はぁ、それで、Aちゃんはホラーさんの家に居たのですか。」

そんな馬鹿な話があるんでしょうかという目で見られる。

ﾎﾗ「…そんな目で見んなよ。

…あ、そうだ。

暇だし、俺の話、聞いてくれるか？」

そう言って、ニコッと笑う。

===

あるホラーというモンスターが容疑者としてこの場所に来た。

ホラーいわく、Aちゃんは料理の匂いに誘われて来たとのこと。

…そんな見た目でそんな事言われても、なぁ？

その時、ホラーは言った。

「俺の話、聞いてくれるか？」

そう言って、ニコッと笑った。

それは、まるで親が見せるような顔で。

窓から光が差し込んで、その顔を一層引きたてる。

▒▒▒

聞いた話はこうだ。

Aちゃんが心を読めること

Aちゃんとお風呂や寝る所の準備をしたこと

Aちゃんは親がトラウマになるほど怖いこと

Aちゃんは箸の使い方さえ分からないこと

Aちゃんはホラーの夢を応援してくれたこと

Aちゃんと、昨日卵焼きを作ったこと

それがとても、美味しくて。

才能があるんじゃないかと思ったこと。

いつか、

Aちゃんと店を出そうと思っている、事。

…何だ？

何故こうも、Aちゃんの事ばかり

ホラーは話している間、顔がニコニコすることは止まなかった。

…全部、本当の事なのだろうか。

誘拐したやつがする事じゃないよなぁ…

疑い始めた。

逆の、意味で。

ﾎﾗ「まぁ、つまり俺が言いたいのは。」

Aは可愛いって、事なんだ。

嬉しそうに語る。

親のように。

…確か、Aちゃんは親が怖いと言っていたな。

…もしかして、その親から守るために？

ホラーは、隠したのか、あの時。

"「…帰ってください。」"

その言葉には沢山の意味が込められていた。

帰ってほしい

親に渡さないでほしい

Aちゃんを起こさないでほしい

……

Aちゃんとの生活を、邪魔しないでほしい。

何なんだよ。こいつ。

本当、馬鹿なのか。

ここに来て、ニコニコするやつなんて

ヤバいやつしか、居ないんだよ。