料理〔Horror〕 (ページ6)

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゜

A『たまご、わる！』

ｺﾝｺﾝ…ﾍﾞﾁｬｧ

ﾎﾗ「あぁあ、これで10回目だ…割るの下手か！

ほら、こうだぞA」

ｺﾝｺﾝ、ﾊﾟｶｯ

黄色いのと透明のが出てきた。

A『これが"きみ"、これが"しろみ"！』

ﾎﾗ「おお、もう覚えたのか？いい子だ、A！」

頭を撫でられる。

心が暖まる。

A『えへへ…A、がんばる！』

ｺﾝｺﾝ、…ﾊﾟｶｯ

ﾎﾗ「…！おぉ、上手いじゃないかA！」

殻がひとつ入ってしまったが、上出来なものだ。

こんなに成長して…

俺は嬉しいぞ、A

ﾎﾗ「よし、次は。」

お砂糖、入れるか？

A『おさ、とう？…もしかしてあまくするの！』

ﾎﾗ「嗚呼、そうだぞ。…ほら、これをそれに入れろ。」

ﾎﾞﾄｯ。

A『しろーい…とけてるー…！』

この子には初めてのことばかり。

全てが楽しいようだ。

微笑ましい。

本当はこんな性格じゃないけど。

A『ねー！いつ焼くのー？』

ﾎﾗ「まだだ、今から混ぜるんだぞ。」

A『まぜるのー？A、がんばるー！』

ﾎﾗ「ああ、頑張れ。」

ｶﾁｬｶﾁｬ。

ﾎﾗ「慌てず、ゆっくり…だ。」

ｶﾁｬ、ｶﾁｬ

A『ゆーっくり、ゆーっくり。』

出来た！

黄身がちゃんと混ざっている。

才能、あるんだろうか。

ﾎﾗ「ようし、お前が楽しみにしていたことだ。

今から焼くぞー？」ﾆｺﾆｺ

A『わー！！やく、やくー！！』

ｼﾞｭﾜｧ…

ｺﾄｺﾄ…

ﾎﾗ「ほら、全体に広げるんだ。」

卵さんを、冒険させるんだぞ。

A『んしょ、んしょ！』

頑張っているAを見て、

とても癒されてる俺は…大丈夫なのか。

嗚呼、どんなキャラだったっけな。

A『これから、どうするの？』

ﾎﾗ「ここから、ひっくり返すんだぞ…出来るか？難しいからな。」

A『…A、やるの！』

ﾎﾗ「！…くく、そうか。それなら、俺の手を握れ。」

ｶﾀｶﾀ…

ﾊﾟｯ

その瞬間、卵が宙に浮いた。

私は、その光景を見ていた。

A『わ…わぁ……！！！』

私も、出来るようになりたい。

A『…A、いっぱいれんしゅうする！！』

ﾎﾗ「！…そうだな。」

そして、卵焼きを作った。