#21 ページ22
藤井さんの顔が曇った気がしたのも束の間、
頼んでいた料理が来た。
「仕事はどう?もう慣れた?」
藤井さんに気を遣わせてしまっているかもしれない
と思ってしまったけど、
今年入ったばかりの私のことを気にかけてくれている。
ここは素直に喜んでいいところだと思う。
上手くいっていると思うところ、
まだまだ慣れないところ、
人間関係だったり、
"会社の上司として"
思ったことを素直に相談していた。
でもこれも、
藤井さんだから出来ること。
藤井さんはそんな私の相談を
ひとつひとつ、丁寧に聞いてくれた。
やっぱり仕事が出来る人だし
尊敬する。
別の意味でも憧れとなっている藤井さんに
私はもう、吸い込まれていくしかなかった。
話をしながら、
藤井さんの声のトーン、
ご飯の食べ方、
話している時の目線
なんかもう、全てが好きだなって
思ってしまった。
.
でも、それを伝えることは出来る?
"笑顔が見たい"
そう思っていた。
「笑顔にしてみせます!」
このセリフも嘘じゃない。
私は、どうなりたい?
もちろん、藤井さんの笑顔は
藤井さんの隣で見たい。
そう思えば思うほど、
伝えた時にどうなってしまうかを考えてしまう。
私って本当に臆病だ。
今日で何回このことを実感するんだろう。
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作者名:ひろか | 作成日時:2017年8月14日 2時