【ﾊｲｷｭｰ!!】バレーの王子様 Vol.3【男主】

第６７話：バレーとは ページ4

バレーボールは、強いスパイクを打てる方が勝つんじゃあないんだ。
ボールを落とした方が、負けるんだ。


猫又監督の視線の先。
今、その時、烏野のコートにボールが落ちた。

試合終了のホイッスルが響く。

「これが繋ぐということだ」

セットカウント２−０、勝者 音駒高校。


烏野の調子が悪かった訳ではない。むしろ良いところがたくさんあったはず。
それでも、これが現実だ。

音駒はチームとして鍛え上げられた力が烏野よりもずっと強かった。
バレーボールというスポーツにおいて、最も重要と言ってもいい力だ。



「もう一回！！」

皆思い思いに馳せていたとき、一人の声が体育館に響く。
日向だ。

「おう、そのつもりだ！もう一回があるのが練習試合だからな」

猫又監督がにっこり笑って言うと、日向は嬉しそうに顔を綻ばせた。




そうしてすぐに２回戦目が始まるようだった。
それを見ていたら、急にすごく羨ましくなって。

「あっち側で芝山連れていってもいいぞ」
『え？』

顔に出ていたかな。恥ずかしい。
急に呼ばれた芝山くんは不思議そうに首をかしげる。

「全くできねえのか？」
『い、いえそう言う訳ではないです、けど』

バレーが出来るのか。それとも怪我のことを言われているのか。
どっちの意味の”できない”なのかわからなくて、曖昧に返事をした。

「じゃあいいじゃねえか。芝山。あっちの空いてる方で大路に相手してもらえ」
「え！いいんですか！？」

読んで字の如く顔がぱあっと晴れる。
こんなにニコニコした芝山くんを前にしてしまえば、今更何も言えなくて。

『ありがとうございます』
「おう」

苦笑いしながら言うと、軽く片手を上げて答えてくれた。









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最近ハイキューの漫画を読み返して号泣する涙腺の弱さです。 浅葱

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