第42話:いろいろ頑張れ ページ6
試合が終わって結果を見ればセットカウント2−0で町内会チームの勝利。
悔しさと嬉しさの入り交じった不思議な感情だった。
体育館ので入り口でOBたちを見送る。
「いやーよくわかんないけど青春だったなー」
「「トスを呼んでくれエース!」とかねーっ」
「「俺が居ればお前は最強だ」とか言ってみてえ、高校生かっけえ!」
「「・・・・・・・・・」」
夕と影山が頬を染めた。
「俺らオッサン組のおいてけぼり感ときたら!」
「すっスミマセン・・・」
「なんつーかまだ色々バラバラな感じだけどな。ちゃんとまとまったらイイとこまで行けんじゃねーかお前ら」
「「ありがとうございました!!」」
滝ノ上さんの言葉にみんなが嬉しそうな顔をして挨拶をした。
もちろんそれは俺も。
「A〜」
『はいはい』
抱きついてくる太陽兄を躱してOBの人達に頭を下げた。
『今日は本当にありがとうございました』
「いやーこっちこそ、ありがとな」
「しっかし、大路弟!!」
『うわっ』
滝ノ上さんが首に腕を回してくる。
「戻ってきてたんだなお前!」
『マネですけど、はい』
「いやー良かったな!良かった!」
『ちょ、首しまってる・・・!』
腕をタップすると悪い悪い、と笑いながら解放された。
すぐに駆け寄ってくる太陽兄。
「ちょっと先輩!乱暴にしないでくださいよ!」
「おー悪い悪い。どうも大路兄弟ってだけで俺らの兄弟みたいな、な!」
『いや、なって言われても』
それはそれで、少しだけ嬉しいけど。
「でも本当に今日は楽しかったぜ」
『ありがとうございます』
「頑張れよ烏野」
『はい!』
元気よく返事をした。
「大路弟も頑張れよ、色々と」
『色々?』
「色々」
意味深に笑って、OBの人たちは帰っていった。
おそらくこれから飲み会なんかがあるんだろう。
太陽兄は帰りが遅くなるらしい。
それにしても色々頑張れって、なんだろ。
ひとり頭を抱えながら体育館に戻る。
「A」
『えっ』
ああ、待って兄貴。俺も帰りたい。
「どこに行くの?」
『あ、え、っと』
「言ったよね?おしおきって」
もしかしてこれですか。色々ってこのことですか。
真っ黒い笑顔を浮かべる大地に一歩ずつ下がる。
けど立ち位置を間違ったらしい。
背中はすぐに壁だった。
「A」
『は、はい』
「覚悟はできてる?」
『ひっ』
助けて、誰か。
周りを見回しても目を合わせてくれる人なんているはずもなく。
夜の体育館に俺の悲鳴が響いたのだった。
→
番外編:やられっぱなしじゃあない 及川→←番外編:チョコレート会社の陰謀 菅原※バレンタインネタ
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夏海 - 私も学生です!!中2です(*'‐'*)♪不登校ですけどね(;^ω^) (2015年1月11日 18時) (レス) id: 68a7985ae2 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 夏海さん» 遅れてごめんなさい・・・内緒です!学生です!笑 もうすぐおばさんかもしれないです!!笑 (2015年1月10日 19時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 幸海月さん» ほんっとに遅れてすみません・・・全然全然です!がんばります!そう言ってもらえる作品をこれからも作っていけたらと思います・・・ありがとうございます! (2015年1月10日 19時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
夏海 - ちなみに、浅葱さんって年いくつなんですかー?(*'‐'*)♪ (2014年12月30日 22時) (レス) id: 68a7985ae2 (このIDを非表示/違反報告)
幸海月(プロフ) - 浅葱さん» 急かしてしまったようでスミマセン(-_-;)時間が、できたら更新頑張って下さい。浅葱さんの作品大好きっス(*^^*) (2014年11月22日 8時) (レス) id: 76f97dbfe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:浅葱 | 作成日時:2014年5月22日 6時