【ハイキュー!!】バレーの王子様Vol.2【男主】

番外編：TRICKｏｒTREAT？　黒尾 ページ43

ソファに寝転がって雑誌を読んでいた。
するとそれを覆う影―――黒尾だった。

「TRICKｏｒTREAT？」
『･･･トリート』

何でそんな無駄に発音がいいんだ。
とまあそれは置いといて、絶対くると思った。
だから用意しておいた。

ポケットからチョコレートを出す。
市販のものだ、小さいやつ。

『ほら、どけ』
「ふうん、TRICKｏｒTREAT？」
『今あげたろ！一回まで！』
「誰が決めたんだよそんなこと」

ぐいぐいと押すけど、一向にどく気配はない。
その間にも顔が迫ってくる。

『知らないけど！普通そうでしょ！』
「関係ねえな」

思わず持っていた雑誌で黒尾の顔を隠したけど、当然奪われた。

「邪魔」
『ち、近いんだけど』

精一杯顔を背けるが、黒尾の視線を痛いほど感じる。
それから自分の頬に熱が集まっていくのも。

「顔あか」
『誰のせいだ誰の』
「俺だろ？」

楽しそうに笑って、突然ごそごそと動き出す。
黒尾の手が向かう先は俺の服だった。

『何してんだよ！』
「trick」
『ふざけんなって、･･･あっ』

脇腹を撫でられれば必然的に変な声が出た。
ちがう、ただくすぐったかっただけだ。
思わず口を抑えて、黒尾を睨む。

「お前も乗り気じゃねえか」
『誰が･･･！』
「いいから、もう黙れよ」

もっともっとたくさん言いたいことがあったのに。
塞がれてしまえば、何も言えない。

だから、しょうがない。
何も言えないのも、黒尾の服に縋ってしまうのも。


『･･･ん、』
「で？TRICKｏｒTREAT？」
『･･････トリックしか残ってないじゃん』
「ちゃんといたずらしてやるよ」

俺の答えに満足そうに笑って、黒尾の顔がまた近づいてきて。
ポケットの中にはまだお菓子が入っていたのだけれど、それには忘れたふりをした。







TRICKｏｒTREAT？


――――――

ほんとーにすみません、ほんとーにお久しぶりです浅葱です･･･
すごくバタバタしていてなかなか更新できませんでした
その間にも閲覧して頂いていた方はもちろんコメントくださった方々
本当にありがとうございます･･･！！

これからはどんどん更新していけたらと思っておりますので
どうぞ、よろしくお願いします！！！
(番外編ばっかりですみません！黒尾さんばっかりですみません！！)

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