【ハイキュー!!】バレーの王子様Vol.2【男主】

第５９話：試合開始のホイッスル ページ33

俺たちは血液だ。
滞り無く流れろ、酸素を回せ。
”脳”が正常に働くために―――

『･･･へ』
「行くぞ」
「「あス！！」」

なんだ今の。
今の音駒ってこんな感じになってるのか。

「おいマネージャー」
『へっな、なに』
「口空いてんぞ」
『お、おう』
「ちゃんと見とけよ、音駒をな」

お前のさっきの台詞のせいだよ、とはとても言えず。
そう何度も言わなくても、今日は音駒のマネだってちゃんと理解しているのに。
まあでも、了解、と頷いてみせた。



そして試合開始のホイッスルが鳴った―――








孤爪くんのサーブから始まった１点目を決めたのは、やっぱり日向だった。
変人速攻が決まって、みんなが目を点にしてる。

『よしっ』
「大路さんっ」

思わず声をあげると、日向がぶんぶん手を振っている。
その姿に笑って、小さく手を振り返した。

「「･･･」」
『あ』

なんかすげー見てる。
音駒の奴らがすごい見てる。監督の方からも控えの１年生からも。

『す、すみません、つい』
「おい、今お前は俺らのマネだってこと忘れんなよ」
『お、おう、だからごめんって』
「ま、嫌でも俺らのことしか見えなくさせてやるよ」

なんだその悪い顔･･･しかも意味分からない。

『ちょ、何言って』
「おーしお前ら、次行くぞ」

遮ってコートに戻っていく黒尾に、やっぱり首を傾げた。


「なあ大路弟」
『その呼び方なんですね･･･なんですか？』
「本当にウチに来ねえか」
『へ？ウチ？』
「お前がいた方があいつらも良さそうだしなあ」
『え、なんのことですか？』
「冗談だ」

？？？
なんだろう、どういうことだ。

ひとりわけのわかっていない俺を横目に、猫又監督は楽しそうに笑っていた。









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