【ハイキュー!!】バレーの王子様Vol.2【男主】

番外編：牙と赤の所有印　黒尾※吸血鬼パロ ページ32

「んなに上手いのか俺の血は」
『美味しいよ』

あ、飲み残し。
黒尾の首元から垂れた血を舐めとる。

「っ」
『どしたの変な声出して』
「うるせえ」

ぴくりと反応した黒尾に首を傾げると、ぐしゃぐしゃと髪を掻き回された。

「つーかいきなり舐めんじゃねえ」
『だって勿体無いだろ、残したら』

ぺろりと舌なめずり。
俺の食事の時間は終了。今度は黒尾だ。
俺の餌は黒尾で、黒尾のご飯は俺が作る。何だかおかしな話だけど。

「ったく痕はもっと下にしろって言ってんだろうが」
『あ、ごめん、忘れてた』

黒尾は部活をしている。
それの運動着では俺の牙の痕が隠せないらしい。
そういえば前にも言われた気がする。完全に忘れてた。

『へへっ』
「どうした急に気味の悪い笑い方して」
『気味悪い言うな！いやその痕見ると、お前は俺の餌なんだなーって思って』

なんだか嬉しいような楽しいような、そんな気持ちになる。
そう笑うと、黒尾は一瞬面食らった顔になった。うわアホ顔。

「･･･俺がお前のなら、当然お前も俺のなんだろうな」
『へ』
「なら印、付けとかねえとな」
『あ、ちょっ』

とん、と肩を押されれば咄嗟に反応できずにそのままひっくり返る。
丁度後ろはソファだったけれど、びっくりした。
抗議のために起き上がろうとすると、それを抑えるように黒尾が覆いかぶさった。

『なんだよ、』
「いいから黙っとけ」
『･･･っひゃっ』

首を舐められた。ただそれだけなのに。
なに、なに？変な声出た。
慌てて口を抑えたけどもう遅い。にやにやしながら見下ろす黒尾と目が合う。

「敏感なんだな」
『何っ』

黒尾が首に歯を突き立てたのがわかる。

『ばか、人間の歯で噛み付いたってただ痛いだけ、』
「だからこうするんだろ」
『っ』

ちくりとした痛み。でもこれは違う、噛まれた痛みじゃない。

「ま、こんなもんだろ」
『何してるの』
「俺のだって印」
『ばーか！』
「･･･まだ足りねえか」
『は！？誰もそんなこと言ってな』
「黙ってろ」
『ちょ、くろ、お･･っ』

それから数十分にわたって、俺の身体にはいたるところに黒尾の言う”印”というものがついた。
自分の白い肌に栄える無数の赤が、少しだけ嬉しかったなんて絶対言わない。





(これどうするんだよ！半袖着れないよ！馬鹿！蚊か！蚊黒尾！)
(･･･あー表はほとんどつけちまったからなあ、今度は裏か)
(え、ちょっ)
(さ、おいでAくん？)
(ぎゃー！！！！)




牙と赤の所有印

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