第41話:躱せ ページ4
嶋田さんのサーブを縁下がレシーブ、それは綺麗に影山にかえる。
さっきの宣言通り、攻撃は日向。
ブロック3枚がみんな日向をマークしている。
「躱せ!!それ以外に出来ることあんのかボゲェ!」
日向が走り出す。それにつられるように、ブロックも動いた。
打ちぬけないなら――
『躱せ』
それは一瞬の出来事だった。
跳ぶモーションに入っていたであろう日向は、一瞬でコートの反対側まで走っていた。
反応の遅れたブロックは追いつけるはずもない。
例え、エースのような戦い方ができなかったとしても。
例え、エースのようなパワーが身長が無かったとしても。
影山がいれば、日向は最強だ。
日向がいれば、みんなは最強になれる。
日向が打ち切ったボールは、嶋田さんの手を弾いて後方へとんでいった。
「お前はエースじゃないけど!そのスピードとバネと俺のトスがあれば、どんなブロックとだって勝負できる!!」
エースが打ち抜いた1点も、日向が躱して決めた1点も、同じ1点。
「”エース”って冠がついてなくてもお前は誰よりも沢山の得点を叩き出して!だからこそ敵はお前をマークして!他のスパイカーはお前の囮のお陰で自由になる!エースもだ!!」
ね!?と振り向いた先には龍や大地がいる。
「おうおうそうだぞ!お前の囮があるのと無いのじゃ、俺達の決定率が全然違うんだぞ!」
大地もうんうん、と頷く。
「それでもお前は今の自分の役割が、カッコ悪いと思うのか!!!」
一気にたくさん叫んだ影山は息を切らしていて。
影山の言葉と龍の言葉。
それを聞いて、日向は自分の右手を眺めた。
少し、赤くなっている。
打った時の感覚は俺にも分かる。じんじんとしていて、好きだ。
跳んだ時の景色は俺にも分かる。視界がぱっと開けて、好きだ。
「・・・・・・・・・思わない」
「あ?」
ぎゅっと手を握り締めた。
「思わない!!!」
「よし!!」
そんなふたりを見て、ほっと息を吐いた。
「今の一発凄かった」
「!!!あざすっ」
「練習中断さしてスミマセンでした!!」
「あっうんっいやっ」
旭に言われて、心底嬉しそうな顔をする日向と。
大地に勢いよく謝る影山。
「試合の続き――」
「「お願いします!!」」
正反対のふたりだけれど、彼らならきっと。
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番外編:チョコレート会社の陰謀 菅原※バレンタインネタ→←第40話:挑発
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夏海 - 私も学生です!!中2です(*'‐'*)♪不登校ですけどね(;^ω^) (2015年1月11日 18時) (レス) id: 68a7985ae2 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 夏海さん» 遅れてごめんなさい・・・内緒です!学生です!笑 もうすぐおばさんかもしれないです!!笑 (2015年1月10日 19時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 幸海月さん» ほんっとに遅れてすみません・・・全然全然です!がんばります!そう言ってもらえる作品をこれからも作っていけたらと思います・・・ありがとうございます! (2015年1月10日 19時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
夏海 - ちなみに、浅葱さんって年いくつなんですかー?(*'‐'*)♪ (2014年12月30日 22時) (レス) id: 68a7985ae2 (このIDを非表示/違反報告)
幸海月(プロフ) - 浅葱さん» 急かしてしまったようでスミマセン(-_-;)時間が、できたら更新頑張って下さい。浅葱さんの作品大好きっス(*^^*) (2014年11月22日 8時) (レス) id: 76f97dbfe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:浅葱 | 作成日時:2014年5月22日 6時